トイレのタンク内に設置された「ボールタップ」とは？

水のコラム

2021年02月07日トイレ

トイレのタンク内では、複数の機構が連携して便器やタンクへの給水を行っています。そのなかでも重要な役割を果たしているのが「ボールタップ」です。今回は、トイレタンク内でのボールタップの動きやボールタップの不具合によって発生するトラブル、その解消方法などをご紹介します。

1 トイレのボールタップってなに？
2 ボールタップの不具合で発生するトラブル
3 ボールタップを交換する際の流れ
4 タンク自体を交換する場合は専門業者に任せるのが安心
5 まとめ

トイレのボールタップってなに？

トイレのボールタップとは、タンク内に設置された機構です。給水によって上下する浮き玉の根元部分に設置されたパーツが、ボールタップです。浮き玉部分も含めてボールタップと呼ぶこともあります。

ボールタップはタンクへの給水・止水を操作するパーツです。レバーを回して便器への給水が開始されるとタンク内の水位が下がり、ボールタップの弁が開きます。そこからタンク内への給水が開始され、一定の水位まで到達すると弁が閉まります。ボールタップには、浮き玉があるタイプとないタイプがありますが、役割はほとんど変わりません。

ボールタップの不具合で発生するトラブル

ボールタップはトイレを使用するたびに作動するため、経年劣化によって不具合が生じることがあります。本来であれば、タンクを開けて不具合を発見できるのがベストですが、タンクを開ける機会はほとんどありません。

ボールタップの不具合を放置していると、トイレ回りでさまざまなトラブルが発生することがあります。代表的なトラブル事例が以下の3つです。

■トイレの水が流れ続けている
■トイレの水が流れない
■タンク内で水漏れしている

トイレの水が流れ続ける・流れないなどのトラブルは、ボールタップや先端の浮き球が原因かもしれません。どちらかに不具合が発生し、弁の開閉が適切に行われず、給水トラブルが発生していると考えられます。

また、レバーを回していないにもかかわらず、タンク内で「チョロチョロ」と水が漏れ出している場合もボールタップが原因の可能性があります。ボールタップの劣化や破損により水が漏れ出していると考えられます。

ボールタップを交換する際の流れ

上記のようなトラブルが発生した場合は、ボールタップを交換するのが良いでしょう。こちらでは、ボールタップの交換する際に必要な道具と作業の流れをご紹介します。

・事前準備
ボールタップの交換には、以下の2つの道具を準備しておくと便利です。

■レンチ
■マイナスドライバー

また、作業を行う際は必ず止水栓を閉めましょう。作業中に水が溢れ出すのを防ぐためです。トイレの止水栓は便器横に設置されていますが、見当たらない場合は元栓を閉めて作業を開始しましょう。

・浮き玉のついたボールタップの交換手順
ボールタップの交換手順は、浮き玉の有無で少し異なります。こちらでは、浮き玉のついたボールタップの交換手順を解説します。

1.レバーを回してタンク内の水を空にする
2.タンクを開けて手洗い管と補助水管を取り出す
3.タンクの外についている2つのナットをレンチで緩め、ボールタップを取り外す
4.新しいボールタップにパッキンを接続し、タンクに固定する
5.反対の手順で部品を元に戻す
6.止水栓を開けて水が流れるかどうか確認する

ボールタップの交換はそれほど難しくありません。ボールタップはホームセンターなどで販売されていますので、手順を確認しながらゆっくり作業しましょう。

・浮き玉のついていないボールタップの交換手順
浮き球のついていないボールタップは、やや交換が難しいといわれます。しかし、手順さえ理解していれば交換は可能なため、この機会に覚えておきましょう。

1.レバーを回してタンク内の水を抜く
2.タンクを開けて手洗い管と補助水管を取り外す
3.タンクの外についている2つのナットを緩めて、給水管とボールタップを取り外す
4.新しいボールタップをタンクに接続する
5.タンクの外側にパッキン・ワッシャ・ナットを取り付けてレンチで固定する
6.反対の手順で部品を元に戻す
7.止水栓を開けて水が流れるかどうか確認する

一般的な構造のボールタップであれば、上記の手順で交換が可能です。しかし、特殊な形状をしているものもあるため、少しでも不安があれば水道修理業者に連絡するのが良いでしょう。