水のコラム
水道工事の悪徳業者に注意!手口や特徴を紹介
「マグネットの電話番号をみて頼んだら高額費用を請求された」「急いで水道管を交換したけど、後から必要ない工事だと分かった」水道工事に関する被害・トラブルが毎年のように起きています。はやく解決したいからといって、安易に格安業者を選ぶのはよくありません。修理を依頼する際は、正規業者か悪徳業者かの見分けを付けて選びましょう。
悪質な水道業者が多い背景
消費トラブルの悩み相談を受け付ける国民生活センターによると、水道工事をめぐる被害相談が近年増えてきたといわれます。とくに自宅ポストに投函されたチラシやマグネットをみて依頼した消費者からの相談が多いそうです。相談者属性の内訳は、60代以上が50%、女性が63%ということです。
悪徳水道業者の手口はさまざまですが、「すぐに解決したい」という消費者の心理に付け込んだ犯行が目立ちます。
これは奈良県で起きた事件ですが、県警によると、ある家族が次々に工事契約を結ばされて数百万円を請求されるという被害が起きました。洗面台の排水つまりと水漏れに悩んだ妻がポストに投函されたチラシに電話したところ、ひとりの男が訪問。蛇口交換費用として約29万円、うち手付金として14万円を支払うことになりました。その後も男はたびたび訪問しては欠陥を指摘し、給湯管の交換・タイルの張り替えなどの必要性を訴え、最終的に契約金は数百万円に上ったといいます。異常に気付いた身内が苦情を申し出ると、工事費用は15万円まで値下げされたそうです。
この手口におよんだ業者は個人ではなく、グループによる組織的・計画的犯行だったことが判明しています。グループは13もの社名を使い分け、住所地も大阪市や東京都などバラバラ。近畿圏内を中心にチラシを配布し、水道工事契約を取り付けていたとのことです。
社名を使い分ければ自治体や警察に目を付けられにくくなりますし、苦情相談も分散できます。同じ契約者を相手に別の会社名で契約を結ばせることも可能です。こうした巧妙な手口を弄す業者が多いことも、水道工事トラブルが多い一因でしょう。
こんな手口に注意!具体的な事例
悪徳業者は、さまざまな手口を使って勧誘し、高額な契約を結ばせようとします。依頼者としては、すぐに解決したいからといって焦らないこと。悪徳業者は次のような手口を使って接近しますのでご注意ください。
・水道局職員を名乗る
「水道局から来ました。メーターの確認をさせてください」といって安心させ、水道管が破損しているなどと言葉巧みに修理へ誘導させる詐欺事件が起きています。
まず、水道局職員が事前の連絡もなしにいきなり訪問することはありません。水質検査やメーター確認、水道管の修繕目的で訪問することはあっても、必ず依頼者からの要請、もしくは事前了承があってなされます。メーターの取り換えの際も、事前に文書などでお知らせが届くはずです。水道局職員を名乗ってきたら、職員証明書の提示を求めましょう。その後、国民生活センターに不審な者が現れたと報告してください。
・見積もりを出さない
正規業者であれば、きちんと見積書を出したうえで工事に取り掛かるはずです。正確な見積もりも提示せず、広告表示の料金を示すのみの業者は信用ならないと思ってください。実際に、見積もりを出してもらえずに修理工事に入り、終わってから高額な料金を請求された事案が多数発生しています。申し込み時には、正確な見積もりが出るまで契約はできないとはっきり伝えましょう。
・大きな工事をしたがる
蛇口やパッキンの交換などで水道トラブルが解決するケースもあります。実際は簡易的な修理で済むにもかかわらず、「水栓を交換しなければならない」「給湯器ごと交換しなければならない」「お風呂のリフォームが必要だ」など、不要でしかも大きな工事を勧めてくるのが、悪徳業者にみられる典型的な手口です。本体の取り換えなどをすれば当然工事費は高額になります。事後に工事や修理の必要性をいわれたら、性急な回答は避けるようにしてください。
水道業者はどのようにして選ぶ?
水道業者は資格を持つ指定業者に依頼するのが大前提です。それを踏まえたうえで、水道業者を選ぶポイントをまとめます。
・料金は相場の範囲?
一般的に、大々的な広告を打つ会社は宣伝コストがかかるため、費用が高めです。もちろん安さ重視で選ぶのではなく、相場に適しているかどうかを判断しましょう。全体の相場ではなく、「トイレ工事」「キッチン工事」「お風呂工事」など、工事内容別にそれぞれ適した金額かどうかを確認してください。良心的な業者であれば、料金についてきちんと説明もしてくれます。
・実績はある?
水道修理業者としてどれくらい実績があるかも見極めポイントのひとつ。創業が古く、多くの工事を手掛けてきた実績がある業者ほど、高い技術を期待できます。また、地元への貢献度も大きな要素です。地元で長く活動していれば、地域住民からの信頼も厚いと予想されるため、信用が置けます。
・接客態度に問題ない?
電話での説明の仕方が丁寧か、横柄な態度になっていないか、訪問時の服装、あいさつに問題がないかも要チェック。専門知識のない依頼者に対して、原因や工事の内容について分かりやすく説明してくれる業者だと安心です。
まとめ
水道工事をめぐるトラブルは後を絶たず、手口も巧妙化しています。水道職員を名乗ったり、見積もりも提示せず工事を進めようとしたりする業者には注意してください。水道工事を依頼する際は、事前の情報収集とリサーチが大切です。