水のコラム
トイレの水があふれてきた! 原因と対策
トイレの水があふれてきたら、解決が急がれます。生理現象が関わってくるので、あまり長くは待っていられません。よくある原因と対策を知っているだけでも、トラブル解消に役立ちます。そこで今回は、トイレの水があふれる主な原因とその対処方法をご紹介します。
トイレの水があふれる原因
トイレの水が流れず便器からあふれ出る場合、便器の排水路や排水管のつまりが主な原因です。
・排水路でつまり発生
便器は排水管と直結しているわけではなく、その間を排水路がつないでいます。排水路は上下に曲がりくねっており、この構造のため便器内には常に水がためられています。水たまりがあることで下水からの悪臭の逆流や害虫の侵入は防がれますが、排水路が上下する構造はトイレをつまらせることが少なくありません。とくに異物がつまりやすい場所のひとつが、排水路の上り坂がもっとも高くなる「せき」の部分といわれています。トイレに流された水は急な斜面を乗り越えなければならず「せき」の手前で勢いを弱めるため、大量の異物があると排水管まで運ばれず「せき」の付近にとどまってしまうわけです。
・排水管でつまり発生
排水管も、トイレのつまりが発生する場所のひとつです。排水管は排水路ほど複雑な構造ではありませんが、水平になっている部分では異物がつまる可能性は小さくありません。水の勢いは、上から下に落下するときほど強さを保てないためです。異物の量が少なければとくに問題ありませんが、大量になった場合には排水路の「せき」と同じく水の勢いだけで押し流すのは難しくなります。「せき」に何もつまっていないケースでは、排水管で問題が起きている可能性も考える必要があります。また水溶性のものでも、一度にたくさんトイレに流すのは好ましくありません。
対策1「ラバーカップ」
トイレから水があふれたときの対策として、ラバーカップはとても有効です。きちんと使い方を理解しておけば、大きな効果を期待できます。
・どんなラバーカップを使うか
ラバーカップの形状は、基本的に3種類あります。カップの縁が平坦なタイプは、一般的に和式トイレや流し台・風呂場の排水口用です。洋式トイレ用は、カップの中央部分が突き出るものとツバのついたタイプに分かれます。ツバつきは複雑な形状の節水型便器にフィットし、中央が突き出るものより密着性を高められます。いずれもホームセンターなどで手に入れられますが、便器の形状に合わないタイプを選ぶとうまく異物を取り除けないかもしれません。ラバーカップを購入するときは、便器の種類やサイズもしっかり確認しておく必要があります。
・作業の流れ
実際の作業では、まずラバーカップを排水口部分にゆっくりセットします。カップが完全に水に浸っていないと、排水口とカップのすき間から空気が入って十分な効果を発揮しません。カップの上部が水から出ているときは、水を足します。ラバーカップを排水口に密着させたら、すき間ができないように注意しながら静かに押し込みます。できるだけカップをへこませたら、力を入れて引きます。押すときに力を込めると、異物はさらに奥へ押される恐れがあるので注意してください。ラバーカップを使うときには、異物を引っ張り出すイメージが大切です。またカップの出し入れでは、水の飛び散りに気をつけましょう。
対策2「重曹とお酢」
家にラバーカップを常備していない場合、お店に買いにいく余裕がないときなどは重曹とお酢(クエン酸)、お湯を使ってつまりを解消する方法もあります。
・必要な道具と分量
あらかじめ準備するものは、基本的に重曹、お酢(またはクエン酸)、お湯、バケツの4点です。熱湯を流すと便器を傷めるので、45度ほどのぬるま湯を使ってください。それぞれの分量の目安は、以下のとおりです。
重曹・・・カップ1/4程度
お酢(クエン酸)・・・カップ1/2程度(約100ml)
お湯(ぬるま湯)・・・便器の半分くらい
・作業の手順
水が流れず便器内の水位が高ければ、バケツである程度まで水を汲み出しておきます。ウォシュレット機能などを備えた便器であれば水がかかって感電する危険もあるので、電源コードも事前に必ず抜いてください。実際の作業は、おおよそ以下の手順で進めます。
1.カップ1/4の重曹を、トイレに投入。便器内にたまっている水のなかに落とします。
2.同様に、カップ1/2のお酢(クエン酸)も投入。
3.次は、お湯を投入。泡立ってきたら、そのまま1時間ほど放置。
4.1時間くらい待ったら、最後にバケツを使って水を流入。
バケツの水は、やや高い場所から少しずつ流し込みましょう。最終的にきちんと水が流れていれば、問題解決です。こちらの作業でも、お湯や水を流し込むときにはラバーカップの場合と同じく汚水の跳びはねには注意してください。
突然トイレの水があふれ出てきたら、あわてず原因に応じて適切に対処しましょう。ただし、症状によっては自分の手に負えないケースもあります。解決を試みても症状の改善が見られない場合には専門業者に依頼してください。