水のコラム
水が出ないけどお湯は出る…。混合水栓の故障原因と対処法
お湯と水の両方を使える混合水栓は、とても便利ですが一度故障すると厄介です。特に、水が出ないけどお湯が出るなど、片方のみ使える場合、故障原因を見極め正しく対応しなくてはなりません。
この記事では、混合水栓からお湯しか出ない場合に考えられる原因と、その修理方法を解説します。
目次
混合水栓からお湯しか出ない場合に考えられる原因
混合水栓からお湯しか出ない場合、複数の原因が考えられます。主な原因を解説するので、思い当たる点がないか確認してみましょう。
止水栓が閉まっている
蛇口の給水量を調節する止水栓が必要以上に閉まっていると、お湯または水のみしか出ない状態になります。供給できる量自体が少ないために、片方にしか水が行かない状態です。
止水栓が閉まっているかの確認は、水量でできます。水が出ている方の蛇口を大きくひねってみましょう。最大までひねっても水の量が変わらない場合、止水栓が閉まっている可能性が高いです。
給水管が凍結している
寒い時期や地方によくある原因です。給水管が凍ってしまい、水が出ない状態になります。給湯器は凍結対策機能が搭載されているものがあるため、ほかの配管が凍っていても無事な場合があります。
給水管が外にむき出し、または地面の浅いところに埋まっている場合は、凍結が原因であるとみてよいでしょう。解凍する作業が必要です。
カートリッジの故障
混合水栓なのに片方のみしか水が出ない現象は、蛇口に問題があるときにも発生します。よくあるのが、蛇口内のカートリッジが故障したパターンです。
シングルレバーや温度調節機能がついた蛇口は、中にあるカートリッジによりお湯と水を切り替えています。このカートリッジが故障すると、片方のみしか水が出ないなどの症状が発生します。
自動温度調節機能の故障
蛇口で故障するのは、水とお湯の切り替えパーツだけではありません。温度調節機能のバルブが故障することもあります。中のパーツが壊れたために、切り替えができずお湯しか出ない状態になるパターンです。
温度調節してもお湯の温度が変わらない場合は、自動温度調節機能の故障を疑いましょう。
止水栓や凍結が原因の場合の対処法
主な原因を見ると、故障箇所や対応方法がそれぞれ違うことが分かります。修理の際は、原因に合わせた的確な対処が必要です。まずは止水栓や凍結が原因の場合の対処法を解説します。
止水栓は開ければ問題なく使える
止水栓の異常は、栓の開閉を調節すれば改善できます。調節にはマイナスドライバーを使います。もっていない場合は、コインなどをご用意ください。
給水管には溝のついた栓があります。これが止水栓です。栓のみぞにマイナスドライバーまたはコインを差し込み、2~3回ほど時計回しに回してください。その後、一度お湯や水を出して十分な水量を供給できているかを確認します。
水量が足りないようなら、もう1~2回分回して量を確認しましょう。お湯も水も十分に給水できるようになれば、作業は完了です。
凍結は放置するかタオルとぬるま湯で解凍できる
次に、配管の凍結ですが、これは気温が上がれば自然と修理できます。凍結で水が出ないときは、落ち着いて待ちましょう。どうしてもすぐに使いたい場合は、タオルとぬるま湯を用意してください。
配管にタオルを巻き、その上から手で触れられる程度の温度にしたお湯をかけます。ゆっくり、まんべんなくかけてください。その後、蛇口をひねり解凍できているか確認しましょう。
ぬるま湯を使って解凍するときは、お湯を直接配管にかけたり、熱湯を使ったりするのは厳禁です。どちらも急激な温度変化による配管の破裂を招きます。必ずタオルを巻き、熱すぎない温度のお湯をかけるようにしてください。
蛇口内のカートリッジを交換する方法
次に、蛇口内のカートリッジの大砲を解説します。カートリッジの故障は、新しいパーツに交換しない限り改善できません。作業は大変ですが、手順を守って作業すれば、家庭でも修理できます。
用意する道具
まずは以下の道具をご用意ください。
・マイナスドライバー
・モンキーレンチ
・新しいカートリッジ
マイナスドライバーは、止水栓を操作するのに使います。モンキーレンチは蛇口のナットを外すのに必要な道具です。新しいカートリッジは、蛇口のメーカー・型番に合致したものをご用意ください。
止水栓を閉めて蛇口のビスを外す
まずは思わぬ水漏れを防ぐために、止水栓を閉めましょう。栓の溝にマイナスドライバーを差し込み、半時計回しに回してください。このとき、何回回して閉めたかをメモしておきましょう。
栓を閉めたら、蛇口を留めているビスとカバーを外します。ビスなどで留められていない場合は、ハンドルを引っ張れば外れます。動かない場合は、マイナスドライバーをハンドルと蛇口の間に入れ、すき間を作りながら引っ張ってください。
カートリッジを交換する
次に、水とお湯などの切り替え表示があるラベルを外すと、中にナットが見えます。モンキーレンチで外してください。
ナットを外すと、中にある白いスペーサーと黒いカートリッジが出てきます。カートリッジをスペーサーから外して、新しいパーツを取り付けましょう。
部品を元に戻し止水栓を開ける
パーツを取り付けたら、あとは外したときとは逆の手順で部品をもとに戻していきます。このときナットが緩んでいるとそこから水漏れするため、しっかり締めておきましょう。
すべてのパーツをもとに戻したら、止水栓を開けます。最初に閉めたときと同じ回数だけ時計回りに回してください。その後、水とお湯の両方がきちんと出るか、水漏れしていないかなどを確認します。異常が改善されていたら、作業は完了です。
自動温度調節機能の修理方法
自動温度調節機能の修理方法は、蛇口内のカートリッジとほぼ内容は変わりません。それでも、細かい部分で違いがあるため、あわせて解説します。
用意する道具
用意する道具は、蛇口のカートリッジ交換とほぼ変わりません。ただ、新しいパーツは蛇口のメーカー・型番にあったサーモスタットのパーツを用意します。
ハンドルと表示リンク・ナットを外す
ハンドルと表示リングを外すまでの作業は、ほとんど変わりません。ネジで留められていない限り、ナット以外のパーツは手で引き抜けますが、どうしても動かない場合があります。
そのときは、サーモユニットにある切り欠け部分にマイナスドライバーを入れ、引っ張ってください。
スペーサーと開閉バルブを引き抜く
サーモユニットを引き抜くと、蛇口と同様スペーサーと開閉バルブがくっついています。壊れたパーツを引き抜いて、新しいパーツと交換してください。
まれに、スペーサー・開閉バルブの両方が壊れていることもあります。その場合は、ふたつのパーツを用意しておきましょう。
パーツを交換したら止水栓を開ける
パーツを交換したら、後は外したときとは逆の手順で取り付けていくだけです。取り付けが終わったら、止水栓を開けて動作確認をしましょう。水やお湯を出して問題がなければ作業は完了です。
原因の解明や修理が難しい場合は業者の力を借りよう
蛇口からお湯のみ出ている状態の原因は、複数あるため解明が難しい場合もあります。また、修理しようとしても蛇口の形状が特殊な場合など、家庭での修理が難しいケースも多いです。
このような場合に無理に修理しようとすると、故障を悪化させてしまうことがあります。自分で修理するのが難しいと感じたら、プロの力を借りましょう。
まとめ
蛇口からお湯が出るのに水は出ない場合、さまざまな原因が考えられます。修理するには、該当する原因に合わせた対応が必要です。故障が判明したときは、落ち着いて原因は何か探すところから取りかかりましょう。
原因が分からない場合や、自分では修理できない場合は、業者の力を借りて対応してください。