水のコラム

節水タイプのトイレがつまりやすいのはなぜ?

2019年08月29日  トイレ


昨今は、水道代を節約できる節水トイレが人気です。うれしいメリットがある一方で、トイレットペーパーを流す量に気をつけないと、つまりを引き起こすことも考えられます。今回は、節水トイレの特徴、つまりやすいとされる理由、つまらせた場合の対処方法などについてご説明します。

節水トイレがつまりやすい理由

節水トイレがなぜ、水道代を節約できるかといえば、1回の使用時に流す水量が少なくて済むからです。少量の水で効率よく流せるよう設計されている節水トイレですが、この強みは場合によって弱点にもなります。

・サイフォンの原理に支えられた設計
節水トイレは、「サイフォンの原理」を最大限に生かす設計です。サイフォンの原理とは、管内に満ちた水は必ず上位から下位へ押し流されるという、水の流れの原理を説いたもので、トイレの汚物排水のほか、水槽の水の移し替え作業などにも応用されています。サイフォンの原理を上手に利用することで、少量の排水で効率よく汚物を押し流せるというわけです。

節水トイレは、水を流す量が通常レベルの範囲なら問題なく使えるように製造されています。しかし、いつも以上にトイレットペーパーを流したり、日常的に流す量がかさんだりすると、排水量が少ないゆえにつまりが起きやすくなるといわれます。

・排水管の構造が節水トイレに向いていない
節水トイレがつまりやすいかどうかは、排水管の構造も関係します。通常トイレと設計が異なるために、旧式の排水管では節水トイレの機能に対応できない可能性もあるのです。その場合は、節水トイレに対応できる排水管の取り換え工事が行われることもあります。

節水トイレがつまったときの対処法

節水トイレでつまらせた場合、節水ラバーカップで対処するか、重曹・お酢、パイプクリーナーなどを使ってつまりを解消する方法があります。

・節水ラバーカップを使う
水回りのつまり解消に役立つラバーカップ。このアイテムは用途や種類の違いに応じて有効なものをチョイスしなければなりません。節水トイレで使用したいのは、もちろん節水ラバーカップです。このタイプは先端部分につばが付いており、節水トイレならではの複雑な排水口にもしっかり密着できるデザイン。節水ラバーカップのなかには通常トイレにも対応できるものもあり、自宅に2種類の便器があるご家庭には重宝されます。

・重曹とクエン酸(お酢)
一般的な洗剤ではなかなか落ちないシミや汚れも落とす家庭の味方・重曹と、無色無臭でアルカリ性の汚れに強いクエン酸の合わせ技も、節水トイレのつまり解消に有効です(クエン酸の代わりにお酢でもOK)。重曹もクエン酸もスーパーや100円ショップで販売されているため、ラバーカップより手軽に入手できます。

作業前に、重曹(カップ1/4)、クエン酸(カップ1/2)、お湯(50度くらい)を用意。重曹→クエン酸→お湯の順にトイレに注いでください。泡立ちを確認して1時間ほど放置します。最後に、バケツに汲んだ水を流して終わりです。いつも通り流れるようになったら改善とみてよいでしょう。

・真空式パイプクリーナー
ラバーカップのような要領でつまりを解消する「真空式パイプクリーナー」もおすすめです。先端のカップを排水口に押し当て、ハンドルを使って強力に吸引。これにより流路の阻害となっているつまりの原因物を押し分け、流れをよくします。このアイテムを使う際は、カップが真空状態になるよう便器に水を貯めた状態で行うのがポイントです。

間違った節水方法はつまりを引き起こす!

トイレタンクにペットボトルを入れるなどして節水を試みている方もいるのではないでしょうか? この方法はつまりを引き起こす可能性が高いとして、トイレメーカーなどは注意を呼び掛けています。トイレの設計意図に反する方法で節水を試みる行為は、思わぬトラブルを招くため注意が必要です。

汚物の排水には、1回あたり適切な量というのがあります。その計算の上にトイレタンク内部の全体構造が設計されています。そこへペットボトルなどを入れて意図的に手を加えると、排水調節にも狂いが生じて適切な量の排水ができなくなり、結果的につまりを引き起こしてしまうのです。その後のトイレ使用にも支障を来すため、イレギュラーな節水方法は控えたほうが賢明です。

仮にトイレがつまった場合は、すぐにペットボトルを取り出して通常の状態に戻しましょう。お湯や重曹、ラバーカップなどのつまり解消方法を試みても改善できない場合は、トイレトラブルに強い専門業者を頼ってください。

まとめ

節水トイレは通常タイプと比べ排水量が少ない分、いつも以上に流す量が増えると完全に流し切れなくなることがあります。そのためトイレットペーパーの使用量には十分注意してください。つまらせた場合は節水トイレ専用のラバーカップや、重曹・クエン酸の注入、真空式パイプクリーナーで解消できないか試しましょう。それでもダメなときは水道修理専門業者への相談をおすすめします。節水トイレも従来型のトイレも、正しく使用することが大切。それさえ守れば長く快適に使い続けられるはずです。

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あいち水道職人(愛知水道職人) 0120-492-315

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