水のコラム
トラブルも?格安につられて水道業者を選ぶことの怖さ
水道業者を選ぶときのポイントは、費用だけではありません。トラブルを回避するためには、いろいろな要素を総合的に比較して信頼性の高い水道業者を選ぶことが望まれます。
そこで今回は、重視したい業者選びのポイント、価格設定の見方や見積りの重要性、またクーリングオフに関する注意点をご説明します。
水道工事は安ければよいというものではない
水道工事で大切なのは確かな技術。そのほか業務姿勢、サービス内容、対応エリアなどをみて判断しましょう。
・水道業者の技術を知るポイント
水道業者が確かな技術を持っているか確認する際、重要となるポイントのひとつは公的機関から認定を受けているかどうかです。
「水道局指定工事店」として登録されていれば地域の自治体からお墨付きを得ていると見なせるため、安心して業務を任せられます。
とはいえ、同じ水道局指定工事店でも技術力は一律ではありません。技術面を重視して水道業者を探すときには、どんな工事を引き受けてきたか過去の実績にも目を向けるとよいでしょう。
・業務姿勢・サービス内容・対応エリアの注目ポイント
業務姿勢は、電話したときの受け答えなどから判断できます。自分の話に耳を傾けてもらえなければ、きちんと作業してくれるか不安に感じるでしょう。
最初にしっかり店名を名乗ったうえで、どんなトラブルが起きているか時間をかけて詳しく聞いてくれる業者のほうが安心といえます。
業務を依頼するときは、サービス内容の確認も不可欠です。水道業者の種類は、基本的に上水道と下水道に分かれます。上水道の工事が必要になったとき、下水道のみ対応している工事店に連絡しても意味がありません。
また、対応エリアに関しては、地元の業者に頼むほうがメリットは多いといわれています。地元であれば担当者の顔が見えやすく、アフターフォローも難しくないためです。
どの水道業者を選ぶか迷った際は、ぜひ価格だけでなく技術面などにも着目しながら依頼先を検討してください。
価格をみるポイント
水道工事は代金が高額になる場合もあるので、料金設定も気になるところです。料金表示の見方についても、理解を深めておいて無駄にはなりません。
・ホームページ上の料金表示の特徴
ホームページに掲載される価格設定は、最低料金になっているケースが多いといわれています。
工事内容によっては、業者のサイトで閲覧した金額より請求額が高くなる可能性があるわけです。工事店から訪問先の住まいまでが遠ければ、作業料金とは別途に出張費が発生することもあります。
ホームページにこれらの情報がすべて明記されているとは限りません。閲覧時には、掲載内容がすべてではないと考えたほうが無難です。
これらの特徴を認識したうえで、掲載内容に何か不明点があるときは遠慮なく水道業者に問い合わせることをおすすめします。
・見積もりはトラブル回避に役立つ
料金トラブルの回避には、見積もりを取ることが有効な手段のひとつです。一般的に見積もりでは、どんな修理や工事であっても作業項目ごとに請求金額が細かく表記されます。
納得できない部分があれば、担当者に確認してから仕事を頼むかどうか決められます。見積もり内容に疑問を残したまま、作業だけ進められてしまう心配はありません。
複数の工事店から見積もりを取り寄せれば価格設定を比較検討できるので、良心的な業者をみつけやすくなります。
ずさんな見積もり、あるいは口頭での見積もりだけで済ませる業者は避けたほうが賢明です。見積もりを頼むときは、丁寧な書面を用意してくれる業者がおすすめといえます。
納得いかない場合、クーリングオフは可能?
水道工事は、契約内容によってはクーリングオフが可能です。ただし、来訪要請した場合、契約の無効化は難しいこともあります。
・クーリングオフが可能な契約とは?
水道工事でも、販売業者が自分の意志にもとづいて誰かの家を訪問しているケースであれば訪問販売と見なされます。
さらに購入者の自宅で契約が成立している場合は、何か問題が生じたとき訪問販売に関する特定商取引法の規制内容が適用されます。
トイレの修理であれば、依頼者の意見を聞かないまま工事作業を実施したとき、あるいは購入を希望していない高額の便器に交換した場合などはクーリングオフの対象範囲です。
・クーリングオフが難しくなるケースとは?
一方、最初に依頼を受けてから住まいを訪問している場合には状況が異なります。あらかじめ依頼者が自宅で契約したい旨を明確に意思表示していれば、訪問販売の規定対象には含まれません。
事前に「〇〇へ来訪してほしい」と工事店に連絡すれば、来訪要請があったと判断されます。その際、依頼したい工事や購入したい商品についても伝えていれば、契約の意思を示したことになります。具体的な契約内容については、詳細が明確になっているかどうかまで問われません。
・その他の注意点
なお最近は、クーリングオフの可否に関係なく契約を迫る業者が増えているといわれています。
たとえば、住人からの来訪要請がないまま家を訪問し、クーリングオフ制度について説明せずに高額な工事契約をさせられるケースが報告されています。水回りのトラブルは解決が急がれることもありますが、格安料金などに惑わされず落ち着いて対処するように心がけましょう。
水道業者の技術レベルには、良し悪しがあります。なかには悪質な水道業者もいるので、料金の安さだけで選ばないことが大切です。
ご自身のニーズに応えてくれるか、また対応が丁寧かどうかまで含めてサービス内容を考慮しながら信頼できる業者をみつけましょう。