水のコラム

水道にはどのような役割がある?水道の種類について

2021年04月08日  水のトラブル【豆知識】

普段何気なく使っている水道にはそれぞれ種類によって重要な役割があります。
水道の種類では上水道と下水道は恐らく知っている方が多いと思いますが、実はほかにも水道の種類はあります。
どれか一つでもかけてしまうと、生活に大きな支障が出てしまいます。

今回は私たちの生活基盤でもある、水道についてご紹介しますので是非ご一読ください。

そもそも水道ってどんなもの?

そもそも水道はどんなものなのか、普段当たり前のように使用しているものだからこそ、なかなか考える機会がないですよね。

今回は水道とは何か、どのような働きをして私たちのもとに届くのか、水道水とは何か、安心して飲んでも大丈夫なのか、などを詳しく解説していきます。

読み終わった後には、水道管理の大切さや、水道水を飲むときの注意点などを理解することができますよ。

・水道とは?

水道とは、私たちが日常的に使用するために水源から引かれている水の通路です。

水道には「上水道」「中水道」「下水道」の3つがありますが、一般的には上水道のことを指します。

普段不自由なく使っている水道ですが、私たちのもとに届くまでには、さまざまな工程を経ているのです。

まずは数多くの家庭や学校、会社などに水道を届けるために、大量の水を貯えなければなりません。
そのためにダム湖を造り、雨水や雪解け水などを貯えているのです。

次に、ダム湖の水が浄水場できれいにされます。

ダム湖の水には、ほこりや砂、微生物などが混ざっていて、そのままでは使用することができないので、浄水場でろ過や消毒が行われます。

そして、安全な水が浄水場から水道管を通り、私たちのもとに届けられるのです。

蛇口をひねって水が出てくる仕組みは、浄水場から常にかけられているポンプの圧力によって稼働します。
そしてポンプは電気で動いているので、電気が止まると水も出なくなってしまうのです。

また、水道に何かしらのトラブルがある場合もうまく水が出ないので注意が必要です。
万が一の場合はすぐに「あいち水道職人」へご連絡ください。

・水道水とは?

水道水とは、水道管を通って私たちのもとに届く水のことです。
もっとも身近な水の1つで、飲用や調理、入浴など、日常のさまざまな場面で使用されています。

日本の水道水は飲めますが、安全性や含まれている成分について気になりますよね。

まず安全性についてですが、日本では水道法4条と水質基準に関する省令により、水質基準が定められています。
水道法で塩素による消毒も義務付けられているので、病原菌や微生物が発生しにくいので、その点は心配する必要はないでしょう。

しかし、水質基準をクリアしていても、供給されるまでの過程で水質が低下してしまうこともあります。
特に、ビルやマンションなど、貯水槽に大量の水を溜めておく場合は注意が必要です。貯水槽が汚れていると、水質が低下してしまいます。

水道管や蛇口にサビがある場合、赤っぽい水が出ることもあり、蛇口ごとによっても水質が異なってしまうのです。

次に成分についてですが、水道水には、塩素・トリハロメタン・鉛・アルミニウムが含まれています。

水の塩素消毒のときに発生するトリハロメタンは、強い発がん性があると指摘されていますが、健康に害がない程度の濃度となっています。

鉛は、鉛中毒を引き起こす可能性がある成分ですが、現在は鉛製給水管がほぼ使われていないため、含まれている可能性は低いです。
各自治体のホームページで、鉛製給水管の使用状況を確認することができるので、不安がある場合は確認してみると良いでしょう。

アルミニウムは、浄水の過程で薬品に含まれていますが、体内に入っても毒はなく、ほとんどが体内に排出されます。

水道水を飲むことに抵抗がある方は、浄水器を導入するのがおすすめです。

浄水器を使うと、給水までに混ざったサビや細かい汚れだけではなく、トリハロメタンの除去も可能です。

水道の種類

水道の種類は、上水、中水、下水の3つに分類することができます。

普段の生活ではなかなか聞かない言葉なので、知らない方も多いのではないでしょうか。
3つの中でも特に、中水はイメージがしにくいかもしれません。

それぞれの違いが分かるように、3つの特徴と活用例を詳しく解説していきます。

・上水

上水とは、一般的に水道と言われる水です。私たちが普段、蛇口を捻って使用している水が上水にあたります。

水源は、川や湖、ダム湖水などの「地表水」、地中にもぐりこんで流れる「伏流水」、深い地中を流れる「地下水」の3つです。

家庭やビル、工場などに給水される前に浄水場に水が送られ、水道法に基づいた水質基準が満たされるまで、ろ過や殺菌処理などの浄水が行われます。

浄水後は、厚生労働省によって定められた、水質基準項目と基準値(51項目)をクリアした水のみが私たちに供給される、という仕組みです。

大腸菌が検出されないか、カドミウムや水銀・化合物などは基準値以下かなどの細かいチェック項目があります。

・中水

中水とは、再利用される水のことで、再生水とも言われます。
水洗トイレや工業用水などに利用される水で、飲むことはできません。

中水を利用するための技術は細かく3つに分けられます。

1つ目は「個別循環型中水利用システム」です。1つの建物に排水処理施設を整備し、建物内で水を循環させます。

2つ目は「地区循環型中水利用システム」です。1つの排水処理施設で複数の建物を対象にしています。

3つ目は「広域循環型中水利用システム」です。下水処理施設から雑用水を利用する方に供給します。

 
中水は、水の再利用と水道料金のコストダウンの2つの点で最近注目が集まっています。

通常使用された水はそのまま下水道に放出されますが、中水は水が再水処理されて循環するので、水の無駄な使用がなくなり、水道料金も安くなります。

また以前までは、水は無限にあるものとされていましたが、最近は地球温暖化が原因で年間の降水量が減少してしまい、深刻な水不足が問題視されています。

中水の利用は、このような環境保全はもちろん、中水を利用する側にも低コスト化のメリットがあるので、今後さらに導入が進められるでしょう。

実際に大規模な都市開発が進む地域では、中水道の設置が義務付けられるところもあります。

 
中水の利用場所は、工場や学校のプールなどの大きい施設を想像しがちですが、実は日常生活でも中水を利用することができます。

雨水タンクを設置して溜めた雨水を洗車に使用したり、お風呂の浴槽に溜めた水を洗濯に使用したりすることも中水に含まれるので、日頃から中水の利用を意識して、水を大切に使っていきましょう。

・下水

下水は、家庭や工場などで使用した水(汚水)や、雨水などのことで、下水道を通って終末処理場に集約・処理されます。
終末処理場で処理された下水は、川や湖などの公共用水域へ排出しても害のないくらいまできれいになります。

きれいになった下水が公共用水域へ排出されると、ダム湖に溜められ、浄水場できれいになり、上水として再度私たちの元へ届くのです。

現代は下水道や下水処理場がきちんと整備されていますが、下水の処理なく、そのまま川や池に垂れ流しをしていた時代もありました。
水辺からは悪臭が漂い、劣悪な衛生環境が原因で伝染病が大流行し、たくさんの人が亡くなりました。
下水を正しく処理することは、人の命にも関わることなのです。

近年、生活排水が問題視されていますが、生活排水を正しく処理しないと、公共用水域を汚してしまいます。下水処理場では完全に取り除けない物質や、流すと下水管を傷つけるものもあるのです。

 

たとえば、紙おむつやウェットティッシュ・食べかす・天ぷら油などの異物を下水として流してしまうと、下水処理場やポンプの故障に繋がります。
下水処理場やポンプが故障してしまうと、路上や宅内に汚水があふれて、異臭と悪い衛生環境に悩まされることになるでしょう。

できるだけごみを取り除いた状態の下水を排出することが、私たちの課題です。

それぞれの水道の役割


水道は、上水・中水・下水の3つに分類をすることができ、それぞれにまったく異なる役割があります。
特に下水は、汚水を処理するだけではなく、意外なものにも使われています。

私たちの生活や、環境には具体的にどのような影響を与えているのかを、具体的に見ていきましょう。

・上水

上水は、飲むことができる水だけではなく、その水を供給するために使われる施設全般も含まれます。

上水の役割は、私たちにきれいな水を送り届けることです。

ダム湖から浄水場までの道のりにも、さまざまな工程があるのはご存じでしょうか。

まず取水設備で、ダムや川から水を取り入れます。次に大きな砂や土などを沈めて取り出す沈砂池を通り、最後にダムや川の水を浄水場まで運ぶ導水管を通って浄水場へ着きます。

浄水場に着いた水は、薬品混和池とフロック形成池で、水に含まれる細かい土や砂が、塊(フロック)にして取り除かれ、沈でん池でフロックが沈められます。

その後、ろ過池でとても細かいゴミが取り除かれ、配水池で水が溜められたのち、配水管を通って、私たちのもとへ届けられるのです。

多くの工程を経ているおかげで、毎日きれいな水を不自由なく使用することができているのです。

厳しい基準をクリアしていても、水道のトラブルがあると水質が落ちてしまいます。
きれいな水を使い続けるためにも、何か気になることがあればすぐに「あいち水道職人」へご連絡ください。

・中水

中水の役割は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、水不足への対策です。地球温暖化の影響で、深刻な水不足が問題視されており、多くの人々に水を届け続けるためには、水の排出量を減らす必要があります。
中水は、使用済みの水が利用可能な水質レベルまで処理されてから、水洗トイレや工業用水などに再利用されるので、確実な節水が可能です。

2つ目は、公共用水域の水質保全です。
中水で水を循環させることによって、川や湖を汚す原因である下水の排出が減少し、生態系の維持や衛生環境を守ることができます。
実際に河川の水が減量して、枯れてしまった東京都内の川に再生水を放流したところ、アユやボラなどの魚や、それを餌とする鳥が訪れる川に生まれ変わった事例もあります。

3つ目は、非常時の水の供給です。
中水は、水道の給水制限時や災害発生時の水の供給にも役立っています。
街中で見かける消火栓や消防用採水口には中水が貯水されています。

・下水

下水の役割は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、衛生環境の保全です。
下水は排水管を通って下水道管に流れていき、下水処理場に運ばれてきれいに処理されます。
下水処理場では、下水を川や湖に流せるまで臭いや不純物を取り除くことができるので、水やその周辺地域がきれいに保たれます。
生態系が守られ、ハエや蚊などの害虫の発生も防ぐこともできるのです。

2つ目は、大雨時に街を浸水から守ることです。
近年、地球温暖化の影響で降水量が増し、短期間に大量の雨が降るゲリラ豪雨も増えてきました。市街地の雨を、マンホールや排水溝から素早く流し、浸水してしまう前に素早く水を排出する働きをします。

3つ目は、エネルギーや資源を創ることです。
下水処理場は、汚水をきれいにするだけではなく、エネルギーや資源を創り出すことができます。
下水処理の際に出る下水汚泥が、微生物によって分解される際にメタンガスと二酸化炭素を主とするバイオガスガスが発生。そのバイオガスは発電用燃料になるので、自動車の燃料や都市ガスに利用されるようになりました。

また、下水汚泥は有機物のため、乾燥や炭化をさせると燃料にもなり、火力発電所の石炭代替としても利用されています。
事例として、愛知県豊橋市にある豊川浄化センターでは、下水汚泥の処理から発生したバイオガスで、年間約770世帯分の発電をしています。

 
水道が整備されているおかげで、私たちは不自由なく、きれいで安全な水を使用することができています。
安心できる水を使用し続けるためにも、異臭や水漏れなどの水道のトラブルにはご注意ください。
万が一、水道のトラブルが起きた場合には、「あいち水道職人」にすぐにご連絡ください。休日祝日関係なく、24時間365日、すぐに駆けつけられる体制を整えています。

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あいち水道職人(愛知水道職人) 0120-492-315

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