水のコラム

夏に困る水道の問題は何?夏に起こりやすい問題を徹底解説!

2021年06月10日  水道について【豆知識】

もうすぐ暑い夏がやってきますね。
暑い時期は水道を使う機会も増えることが多いでしょうが、夏になると水道に問題を抱える人が多くなる傾向もあることをご存じでしょうか。

もしトラブルが起きても焦ることがないよう、夏に起こりやすい水道トラブルを事前に確認しておきましょう。
今回は夏に起こりやすい水道の問題をご紹介いたします。

水道水のにおい関する問題

・カビのようなにおいがする

夏の水道水に起こりやすい問題の一つに、カビのようなにおいの発生があります。
水道水からカビ臭がするのは、水中に2つの原因物質「ジェオスミン」「2-メチルイソボルネオール(2-MIB)」が増加したことが原因です。

これらの原因物質は、アナベナやフォルミジウムと呼ばれる「藍藻類(植物プランクトン)」が作り出します。
夏は水温の上昇によって湖沼やダム湖の水中に藍藻類が増殖するため、冬場に比べて水道水のカビ臭が発生しやすいのです。

「浄水しても消えないのか?」という疑問を持たれるかもしれませんが、稀に原水よりも浄水した水道水の方が強いカビ臭を放つこともあります。
これは、塩素処理によって藻の体内のカビ臭物質が水に溶け出してしまうからです。

カビ臭のする水道水を摂取しても健康被害があるわけではありませんが、やはり気になるものなので、速やかに水道局に連絡しましょう。
 
 

・マンションの場合は給水方式にも注意

マンションの場合、給水方式によっては水道水にカビ臭が発生することがあるため、注意が必要です。
マンションの給水方式には以下の3つがあります。

1.貯水槽水道方式・・・受水槽に貯めた水をポンプで屋上の高置水槽に組み上げ、各部屋に給水
2.直圧直結給水方式・・・各部屋に水道管を直結させる仕組み(4階建以上は不可)
3.増圧直結給水方式・・・各部屋に水道管を直結させる仕組みで、増圧ポンプにより高層階まで給水可能にしたタイプ

このうち、直圧直結給水方式と増圧直結給水方式では、水源地の水に問題がない限りカビ臭が発生することはありません。
注意が必要なのは、築年数の古いマンションに多く見られる貯水槽水道方式です。

容量10㎥以下の小規模貯水槽であれば水道法の適用を受けないため、管理が不十分になっている可能性があります。
管理不足によって受水槽や高置水槽内に藻が発生し、水道水にカビ臭が感じられるようになるのです。

一方、一軒家では基本的に直圧直結給水方式が採用されているため、受水槽の汚染リスクがありません。
水道管から直接水が送られてくるため、いつでもキレイな水道水を使用できます。
 
 

・対策法

水道水にカビ臭が感じられる場合、自分でできる対策としては「浄水器の設置」「煮沸」の2つが挙げられます。
浄水器を選ぶ場合は、必ずカビ臭(2-MIB)が除去できるものであることを確認するようにしましょう。

浄水器は製品によってどの有害物質を除去できるかが異なります。
「せっかく購入したのにカビ臭除去に対応していなかった」なんてことにないように、あらかじめ確認しておくことが大切です。

また、水道水の煮沸によっても、ある程度のカビ臭を除去できます。
ただし、一度煮沸した水は消毒効果がなくなるため、長期保存せずに1日で使い切るようにしましょう。

水道水の温度に関する問題

・夏の水道水の平均温度

水温が高くなることも夏の水道水の問題です。
水道水の年間平均温度は16度くらいですが、夏には26〜28度にもなります。
以下は、東京都水道局が発表している夏の水道水の平均温度です。

・6月=21度
・7月=23.6度
・8月=26.5度
・9月=22.7度

気温が高くなれば、それに伴い水温も高くなるものです。
世界各地で進む地球温暖化の影響で日本の平均気温も大きく上がっているため、40度を超えるような夏の日には水道水の温度もかなり高くなってしまいます。

近年では、水道水から熱いお湯が出てくるといった苦情が、自治体や水道業者に寄せられることも増えてきているようです。
このことからも、水道水の温度上昇がいかに日常生活に支障をきたしているのかが分かります。
 
 

・水道水の温度が変化する理由

水道水の温度は気温の影響を強く受けますが、それ以外にも下記のような「給水環境」の影響を受けて変化することがあります。

・地下の温度
・給水タンクの位置・容量
・水道本管~枝管の距離
・枝管の給水経路(日向・日陰)

たとえば、集合住宅で屋上の貯水タンクから各部屋に配水するような場合、夏場は太陽の光をまともに浴びるのでタンク内の水温も高くなりがちです。
タンクの容量が大きければ温度も上がりにくいですが、小さければすぐに高温になってしまいます。
水温は水道局から自宅までの給水経路によっても変化します。

日が当たるところばかりを通る経路で給水される場合はぬるい水が届きますし、日陰ばかりを通る経路であれば冷たい水が届くでしょう。
給水距離が長ければ気温の影響を長時間受けることになり、水道水が高温になってしまうこともあります。

また、地下水を直接汲み上げて使うような給水環境であれば、一年中低い水温の水道水を使用できます。
このように、水道水の温度は外気温だけでなく環境によっても大きく変化するのです。
 
 

・水道水の温度が高い場合は洗濯に注意

水道水の温度が高い夏場は洗濯にも注意が必要です。
洗濯時の水温が高いと「洗剤が溶けやすい」「洗濯物の汚れ落ちが良くなる」というメリットがありますが、色落ちが激しくなるデメリットもあります。
特に濃い色のTシャツやデニムを洗濯する際は、高温の水道水を使わないように注意が必要です。

また、あまりに高温のお湯も洗濯機の故障につながるので、使わないようにしましょう。
家庭用洗濯機は常温の水道水を使うことが前提なので、多くのパーツが熱に弱いプラスチック・ゴムなどで作られています。
50度以上のお湯を洗濯機に入れてしまえば、熱に弱いプラスチック部分のパーツが壊れて故障の原因になります。
 
 

・水道水がぬるい場合の対処法

水道水を飲用に使うとき、ぬるいと不快に感じるものです。
その場合は、冷蔵庫で冷やしたり、氷を使って水温を下げたりしましょう。
また、ぬるい水は雑菌が繁殖しやすいので、夏場は長時間放置せずに早く使用してしまうのがおすすめです。

水道代の問題

・夏は水道代が高くなる?

夏は冬に比べて水道を使う場面が増えるため、水道代も高くなりがちです。
たとえば、汗をかいてシャワーを浴びる頻度が増えたり、子どもの水遊びや庭の植物への水やりをしたりするなどで水道の使用量が増える家庭も多いでしょう。

また、水道管が破裂していることによって水道代が高くなることもあります。
それほど使った覚えがないにもかかわらず水道代が高くなっている場合は、まず水道管の破裂を疑いましょう。

水道管が破裂しているかどうかは、水道メーターで判断が可能です。
通常、敷地内で水道を使用していない場合、水道メーターは止まっていますが、水道管が破裂している場合は常にメーターが回転しています。
破裂した水道管を自力で修理するのは不可能なので、すぐに専門業者に修理を依頼するようにしましょう。
 
 

・水道代の計算方法

水道代は基本的に2か月に1回の検針と請求が行われ、以下の料金の合計金額で計算されます。

・上水道(基本料金+従量料金)
・下水道料金
・消費税

「基本料金」は、水道を契約している限り必ずかかってくる料金のことで、水道メーターの口径により金額が異なります。
一定量までの水道使用量は「基本料金に含まれているのが一般的です。

「従量料金」は使用量に応じてかかってくる料金です。
「基本料金」に含まれる使用量を超えて使用した分が加算されます。

「下水道料金」は、上水道の使用水量が「汚水排出量」とみなされ算出されます。
下水道のない地域の場合、下水道料金はかかりません。
 
 

・水道代の平均は?

総務省統計局の家計調査(平成27年調べ)によると、1か月あたりの水道代の平均は以下になります。

・1人暮らし:1,938円
・2人家族:4,222円
・3人家族:5,326円
・4 人家族:5,978円
・5人家族:7,173円

このグラフを見ても分かる通り、単身者であれば2か月で4,000円、一般的な家族の場合は8,000〜10,000円くらいであれば、平均的な水道代におさまっているといえます。
 
 

・水道代を抑える方法

<水道水の消費が多い場所>
水道代を抑えるためには、最も水道水の消費が多い箇所の使用量を減らすことです。
家庭の中で最も水道の消費が多いのは「風呂」ということが分かっています。

国土交通省が発表した「平成26年版 日本の水資源について」によれば、日本人の1日の水道使用量は1人あたり平均289Lです。
そして、この289Lの内訳は「風呂40%・トイレ21%・炊事18%・洗濯15%・洗面・その他6%」になります。
(東京都水道局「平成27年度 一般家庭水使用目的別実態調査」)

つまり、水道代を抑えたければ、風呂の水の使用量を少なくすることが一番の近道なのです。
シャワーの出しっぱなしをやめるだけでも大きな節水につながります。
髪や体を洗うときは、その都度シャワーを止めるのが効果的です。
 
 
<シャワーヘッドで節約>
お風呂の節水に効果的なのが節水シャワーヘッドの使用です。
毎日シャワーでどれくらいの水を使用しているかご存知ですか?一般的なシャワーでは1分間に10〜12Lの水が流れます。
10分間使えば100L、家族4人であれば400Lもの水が1日で消費されるのです。
まずはシャワーの使用から見直す必要があるでしょう。

節水シャワーヘッドと聞くと「水圧が弱くなって使用感が変わってしまうのでは?」と思う方が多いかもしれません。
しかし、最近の節水シャワーヘッドには、水圧を強めて水量だけを減らすことができる製品があります。

もちろん、メーカーによって節水効率には差がありますが、節水シャワーヘッドを使えば一般的なシャワーヘッドの約35%〜50%も節水できるとされています。
中には50〜60%も節水できる製品もあるので、ぜひ節水シャワーヘッドも検討してみてください。
 
 
<トイレの節水>
お風呂の次に水道水の使用量が多いトイレの節水も、水道代節約につながります。
トイレの水を流すとき、いつも「大」で流している方も多いのではないでしょうか。
しかし、「大」と「小」をしっかり使い分けて流すだけで、節水が可能になるのです。
「小だとしっかり流れないのでは?」と心配な場合でも、最近のトイレは高性能ですので問題ありません。
では、「大」と「小」で水道代にどれくらいの差が生まれるのでしょうか?

・「大」の1回あたりの水量・水道代=8L・約2円
・「小」の1回あたりの水量・水道代=6L・約1.4円

成人男女1人の1日の平均トイレ使用回数は4〜7回といわれています。
間をとって6回でトイレの水道料金を計算してみると、「大」で年間4,380円、「小」で年間3,066円です。

つまり、トイレを流すときに「小」を使うことで年間1,314円の節約が可能になります。
1人あたりは微々たる節約に過ぎないかもしれませんが、家族4人であれば年間5,256円の節約です。
積もり積もれば大きな節約になりますので、トイレの節水もぜひ検討してみてください。
 
 
<キッチン周りでの節水>
風呂・トイレに次いで水の使用量が多い炊事(キッチン周り)の節水も大切です。
水を流しっぱなしにしながら洗っていたのを、水を溜めて洗う方法に切り替えるだけでも十分な節水になります。

また、食器洗いで最も多くの水道水が使われるのは「洗剤の泡のすすぎ」といわれています。
そのため、「洗剤不要のスポンジ」など便利グッズを使えば、すすぎに使用する水の量も減らすことができます。

最も効果的な節水方法は「食器洗い機」です。
初期投資は必要ですが、長期的に見た場合に水道代を大きく節約することができます。
最新式の食器洗い器の中には、水量を手洗いの約9分の1に抑えられるものもありますので、検討する価値はあるといえるでしょう。

また、食器洗い機でなくても節水効果が期待できるものもあります。
蛇口に取り付ける「節水アダプター」を使えば、蛇口から水を出す場合の約40〜50%の節水が可能です。
低コストで節水を実現したい場合は、節水アダプターも一つの選択肢となるでしょう。

夏に起こる水道数の問題のまとめ

夏に起こる水道の問題は、温暖化が進んでいることにより年々深刻化しています。
水は生活には欠かせないものですので、どのような問題があるのかしっかり把握しておきましょう。

愛知での水道のトラブルなら、あいち水道職人にお任せください。
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