水のコラム
水回りリフォームがしたい!費用を安く抑えるコツは?
水回りは家の中でも特に使用頻度が高い場所のため、リフォームが必要になることもあります。
しかし、リフォームには高額な費用がかかるイメージがあり、なかなか踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、水回りリフォームにかかる費用の相場や費用を安く抑えるコツについて紹介します。
水回りリフォームにかかる費用の相場
一般家庭の水回りとは、キッチン、お風呂場、トイレ、洗面台の4箇所を指します。
水回りの耐用年数は一般的に15~20年程度です。
長年使用している場合は、目立った劣化や損傷がなくてもリフォームを検討したほうがよいでしょう。
ここでは、水回りのリフォームにかかる費用の相場や、主な工事内容について紹介します。
・水回り全面
水回りを全面的にリフォームする場合、業者によってはお得なセットプランを提供していることもあります。
キッチン、お風呂場、トイレ、洗面台の4箇所をまとめてリフォームできるセットプランであれば、費用の相場は100~300万円程度です。
各箇所を個別にリフォームするよりも安価なため、複数箇所のリフォームを同時に依頼したい場合はセットプランの利用をおすすめします。
ただし、セットプランでは工事内容や導入設備がほとんど決められているため、こだわりや細かな要望がある場合など自由度が高いリフォームをしたい方にはおすすめできません。
セットプランを利用する際は、値段だけでなく工事内容や導入設備の詳細を確認したうえで契約に進みましょう。
・キッチン
キッチン全体をリフォームする場合、費用は50〜100万円程度が相場です。
主な内訳は、古いキッチンの撤去費、システムキッチンの本体費、配管工事費、内装工事費などです。
キッチン全体ではなく、コンロやレンジフードなど一部のリフォームのみであれば、10~30万円で行えることもあるでしょう。
昨今は、壁付けのキッチンをリビングと対面するタイプに変更するリフォームが人気ですが、キッチンの位置が変わることで配管工事や内装工事を伴う場合、150~200万円を超えることもあります。
また、システムキッチンのサイズやグレードによって価格が大きく変動するため、キッチンの性能などの希望と予算は概ね決めておきましょう。
工期の目安は2~5日で、キッチンの移動や配管、内装の工事が必要な場合は1~2週間ほどかかる場合もあります。
・お風呂場
お風呂場全体のリフォーム費用の相場は50〜150万円程度です。費用の主な内訳には、解体工事費、仮設工事費、浴槽の本体費、浴槽の設置費、給排水工事費、内装工事費があります。
加えて、お風呂場の拡張や移動、断熱工事、シロアリ対策などを行うと高額になるため、見積もりでは総額をしっかり確認しておきましょう。
またお風呂場のタイプには、浴槽や壁、床がすべてセットになっている「ユニットバス(システムバス)」と、部屋に防水加工を施してタイルやコンクリートでお風呂場を作る「在来工法」という2つのタイプがあります。
ユニットバスは、工場で生産されたパーツを現場で組み立てることで完成するため、在来浴室のリフォームよりも工期が短く、費用も安くなるのが一般的です。
工期の目安は、ユニットバス交換なら4日前後、在来浴室からユニットバスへのリフォームでは1週間前後かかります。
在来浴室を新しい在来浴室にリフォームする場合や、お風呂場の拡張、移動をする場合は2週間~1か月ほど要するため、工事を開始する時期は計画的に決めましょう。
・トイレ
トイレ全体のリフォームにかかる費用の相場は10〜50万円程度です。
費用の主な内訳は、古いトイレの撤去費、トイレの本体費、設置費、給排水工事費、内装工事費で、他にも温水洗浄便座の設置や手洗い場、手すりの設置もよく行われています。
和式トイレから洋式トイレにリフォームする際は、床に段差がある場合、段差をなくすための解体も必要なため高額になるのが一般的です。トイレの本体費は、タンク式のトイレよりもタンクレストイレのほうが高くなる傾向にあり、性能によっても価格に差が出ます。
また床をリフォームする際、トイレ本体を交換しない場合でも、本体を取り外さなければならないこともあるため、事前に確認しておきましょう。
工期の目安は1~3日程度で、新設や移動、増築を行う場合は5日前後かかります。
・洗面台
洗面台をリフォームする場合、費用の相場は10〜50万円程度で、洗面室も含めてリフォームしても20〜50万円以内に収まることが多いでしょう。
内訳は、古い洗面台の撤去費、洗面台の本体費、設置費、内装工事費です。
ダブルボウル式の洗面台や収納スペースが広く多機能な洗面台など、本体のグレードによってはリフォームの総額が50万円を超えることもあります。
しかし、一般的なタイプの洗面台や壁紙、床材であれば20万円前後で洗面所全体をリフォームすることが可能です。
工期の目安は、洗面台の交換などの簡易なリフォームであれば数時間〜1日程度、洗面所全体のリフォームでも1〜3日程度で完了します。
水回りリフォームの費用を抑えるコツ
水回りリフォームでは、工事内容や導入する設備のグレードなどにより、費用に大きく差が出ます。
ここでは、リフォーム費用を抑えるためのコツを紹介します。
・「水回り4点セット」でまとめてリフォームする
一般的な水回りの耐用年数は15~20年程度です。
経年劣化などにより一部の水回りリフォームを検討するような状況では、他の箇所の水回りでも劣化が進んでいる可能性が高いでしょう。
そのため、複数箇所をまとめてリフォームする需要も多く、「水回り4点セット」といったお得なセットプランを提供しているリフォーム業者もあります。
一度にまとめてリフォームすることで、資材の仕入れや排水管工事、人件費や養生費などのコストも最低限に抑えられます。
さらに、各箇所を別々にリフォームするよりも工期が短く設定できるのもメリットです。
ただしセットプランでは、導入する設備や工事内容を自由に選択することはできないため、具体的な工事内容などは事前に確認しておく必要があります。
・グレードを下げる
水回りリフォームにかかる費用には、主に本体費用、撤去や設置などの工事費用、諸経費などがあります。
このうち、金額に大きく差が出るのは本体費用です。
システムキッチンや浴槽、便器、洗面台などのグレードやオプションの有無により、金額が大きく左右されます。
最新型のものや多機能なもの、サイズが大きいものなどは、スタンダードなものに比べて高額になるでしょう。
そのため、本体のグレードを下げたりオプションを必要最低限にしたりすることで、リフォーム費用を大きく抑えることが可能です。
ハイグレードな設備は魅力的ですが、予算に合わない場合は、必要以上のグレードやオプションを選んでいないか見直してみましょう。
・国や自治体による補助金制度を利用する
水回りリフォームのコストを抑えるには、先程紹介したようなセットプランの利用やグレードの変更だけでなく、国や自治体による補助金制度をチェックすることも大切です。
補助金の対象となるリフォームには、主にバリアフリーや介護、省エネやエコ、耐震といった目的のリフォームで、制度ごとに条件が異なります。
補助金を受けるにはさまざまな条件を満たす必要があるため、リフォーム業者の協力が不可欠です。
また、補助金の多くは着工前の申請が必要であり、申請期限内であっても予算の上限に達した時点で募集が締め切られるため、早めの相談や検討をおすすめします。
水回りリフォームの注意点
最後に、水回りリフォームで後悔しないために注意したいポイントについて、箇所ごとに紹介します。
・キッチン
〈調理スペース〉
システムキッチンの形やレイアウトがリフォーム前後で大きく変わる場合は、十分な調理スペースが確保できるかどうかを確認しておく必要があります。
特に、I字型からL字型のキッチンに変更する場合、コンロやシンクのスペースが短くなる可能性があるので注意しましょう。
また、L字コーナーをどのように活用するかによって、使い勝手に影響が出ることもあります。
リフォーム後のキッチンで実際に調理や盛り付けをするときのことをイメージし、スムーズに調理ができて動線も確保しやすいレイアウトを考えておきましょう。
〈他の家電の置き場所〉
キッチンのリフォームでは、冷蔵庫や電子レンジ、炊飯器などキッチン家電の置き場所を決めておくことも重要です。
コンセントの位置も考慮しつつ、家電を使用しやすいようにレイアウトを工夫しましょう。
特に、電子レンジやオーブン、冷蔵庫などは手前に開閉用のスペースを考えておく必要があります。
また、現在使用している家電だけでなく、家電の買い替えや新調をする際にも配置に困ることがないよう考慮したうえで、リフォームをすることが大切です。
・お風呂場
〈窓の大きさと照明〉
お風呂場のリフォームでは、窓の大きさや位置、照明の位置や明るさなどに注意が必要です。
お風呂場に大きな窓があると通気性がよくなる反面、外から見えやすくなることで防犯面の不安だったり冬の寒さが懸念されたりすることもあります。
目隠し、防犯、防寒対策なども考慮して、窓の大きさや構造、配置を選びましょう。その他に照明の位置や明るさによっては、窓を閉めていてもお風呂の中の様子が見えやすくなる可能性もあります。
お風呂のリフォームの際は、内側から見たデザイン性だけでなく、外部からの見え方にも注意しましょう。
〈設備素材の選び方〉
お風呂場は、水回りの中でも湿度が高く、特にカビや臭いの発生が気になる場所です。
お風呂場のリフォームでは、こうしたお風呂場ならではの特徴も加味したうえで、壁や床、天井、浴槽などの設備素材を選ぶ必要があります。
機能性だけでなく、窓や照明も含めてデザイン性のバランスが取れているかを考え、心地よい空間にリフォームしましょう。
・トイレ
〈便器の大きさ〉
便器の大きさは、トイレの広さに合ったものにすることが大切です。
便器のサイズが大きい場合、座り心地は良くてもトイレのスペース自体は狭くなります。
反対に、空間に対して便器が大きすぎると、トイレの床などが掃除しにくくなり、収納や手洗い場、タオル掛けなどの配置も難しくなるでしょう。
ショールーム等で便器を実際に見て選ぶときは、トイレ全体のバランスを考えることも重要です。
〈床材の種類〉
トイレのリフォームでは、掃除のしやすさや耐久性を考慮したうえで床材の種類を選びましょう。
トイレを清潔に保つには、床材に水やアンモニア、薬品に耐性があるかどうかがポイントです。
トイレの床材で使用されるのは、主に「セラミックタイル」「クッションフロア」「フローリング」です。
他の部屋がフローリングである場合、トイレの床材もフローリングにすることで統一感は出せますが、通常のフローリングには耐水性がありません。
それでもトイレの床をフローリングにしたい場合は、トイレの床向けに加工されたものを使用することをおすすめします。
・洗面台
〈洗面室の種類〉
洗面台をリフォームする際は、用途に合わせて洗面室の種類を選びましょう。
洗面室には、パウダールームとして利用するための「専用タイプ」と、洗面台に加えて脱衣所や洗濯スペースなどとしても利用する「多目的タイプ」があります。
専用タイプの場合は、小物を置くために収納の使い勝手を重視するのがおすすめです。
多目的タイプの場合は、防カビや耐水などの設備素材にこだわり、洗濯機を設置する際は十分なスペースも確保できるよう考慮しましょう。
〈洗面台の種類〉
洗面台本体には、洗面ボウルや収納キャビネット、鏡などが一体化している「ユニットタイプ」と、自分で素材やデザインなどを選んで組み合わせられる「システムタイプ」があります。
リフォーム費用をなるべく抑えたい場合はユニットタイプ、コストがかかってもデザインやサイズを自由に選びたい場合はシステムタイプの洗面台を選ぶのがおすすめです。
予算や要望などに合わせて、より適したタイプの洗面台を選びましょう。
まとめ
水回りリフォームを検討する際は、費用相場や工事内容を把握しておきましょう。
デザイン性や機能性、値段など優先順位を決めておくのも大切です。
後悔しないように、家族や専門業者としっかり相談して水回りリフォームを行うようにしましょう。