水のコラム
不快な黄ばみ汚れ。トイレに尿石がこびりついてしまう原因とは?
トイレ掃除は欠かさず行っているのに、段々と黄ばみが酷くなって取れない・・このようにトイレ掃除に、困ってはいませんか。
実は、トイレの黄ばみの原因は「尿石」にあるのです。その尿石とは一体どんなもので何が原因なのでしょう。また、尿石を取り除く方法はあるのでしょうか。
そこで今回は、「尿石」について詳しく解説しましょう。
目次
トイレに尿石がこびりついてしまう原因とは?
トイレの黄ばみの原因は、尿石にあります。では、トイレ掃除は欠かさず行っているのに、なぜ尿石が発生してしまうのでしょう。そもそも尿石とは、どんなものなのでしょう。
そもそも尿石とはなに?
尿石は人の尿に含まれている尿素やタンパク質などの成分が、細菌によって変化して便器などに付着したものです。
分かりやすく例えると、歯磨きをしていても歯石が発生しますよね。歯石が歯に付着すると歯医者で取り除かないと、取れなくなります。歯石のトイレバージョンが尿石とイメージすれば、分かりやすいでしょう。
尿石がこびりつく原因
尿石が発生する原因には、できあがるまでの工程が存在します。ただ、トイレ内に尿が残っているだけでなく、菌の存在が尿石の原因となっています。
1:尿に含まれる尿素が、雑菌が排出するウレアーゼ酵素によって分解される
2:分解された尿素はアンモニアに変換され、アンモニア臭を放つようになる
3:アンモニアがさらに分解されて、便器内の液がアルカリ性に変質
4:ph値が8.0~8.5を超えると、尿中のカルシウムイオンが難溶性カルシウム化合物(炭酸カルシウム、燐酸カルシウムなど)に変質
5:変質した難溶性カルシウム化合物が、尿石となり便器にこびり付く
6:尿石には小さな穴がたくさん空いているので、そこに雑菌が繁殖する
7:増殖した雑菌が更なる尿石を作っていく
8:尿石が多くなればなるほど、カンタンに取れなくなる
これが尿石のできる過程と、トイレにこびり付く原因です。
トイレに尿石がこびりつくのを防ぐ方法
トイレに尿石がこびり付くのを防ぐには、どうするのが一番効果的なのでしょう。先にお伝えしている、尿石ができる過程の中のひとつでもなくすことができれば、尿石自体が発生しなくなりますよね。
そこで、次のような方法が有効であると言えます。
洋式トイレでは必ず座って用を足す
洋式トイレで尿石が発生する原因には、男性が立ったまま用を足すことが挙げられます。洋式トイレは便座に座って用を足すように設計されています。
立ったままだと尿が飛び散るのは確実で、掃除しにくい場所にも飛び散ってしまいます。ですから、大人から子どもまで男性も、用を足す時は必ず便座に座って用を足しましょう。
トイレの掃除回数を増やす
トイレ掃除は欠かさず行っている方でも、毎日ではない方が多いのも事実です。尿石は尿と雑菌の両方が必要ですから、とにかく掃除の回数を増やせば尿も雑菌も少なくなるのは確実です。
毎日のトイレ掃除は面倒かも知れませんが、尿石が付着してしまうともっと面倒になります。トイレでアンモニア臭がしたなら、尿石ができる合図です。トイレの掃除回数を増やして、尿石を防ぎましょう。
使用後は必ず水を流す
子どもがトイレを使用した後に、早く遊びに戻りたくて水を流さずにトイレを出てしまうことはよくあります。また、大人でも少量の場合だと「水がもったいないから」との理由で、そのままにしている方も、少なからずいらっしゃいます。
尿石を作らないためには、尿をトイレ内に残さないことが重要です。トイレを使用したら、必ず水を流すことを家族の決まりごとにするとよいですよ。
厄介な尿石の除去方法
ここでは、できてしまった厄介な尿石を取る方法を解説します。
尿石を落とすなら、酸性のトイレ用洗剤を使用します。昔は塩酸が含まれた洗剤を使っていましたが、身体への健康被害もあるので最近では、ソフトな尿石専用のトイレ用洗剤が発売されています。
尿石を落とすなら、尿石専用のトイレ用洗剤を使って掃除をしましょう。
尿石用洗剤を使用する際の注意点
ソフトになったとは言っても、頑固な汚れである尿石を除去するので、洗剤に含まれる酸の力は強力です。ですから、マスク・ゴム手袋・ゴーグルは必需品と考えましょう。
「マスクやゴム手袋は分かるけど、ゴーグルは大げさでしょう」と言われるかも知れませんが、大げさではありません。酸の刺激はある程度ありますし、ブラッシングの際に目に飛び散って入るケースもあります。
また、トイレはドアを開けて、換気をよくして掃除します。万全を期して、尿石掃除に挑みましょう。
ジェルタイプと液体タイプの2種類がある
尿石用の洗剤には、ジェルタイプと液体タイプの2種類があります。
ジェルタイプは洗剤をふりかけて、30分から数時間放置するので時間がかかりますが、しっかり効果が表れます。液体タイプは即効性に優れていますが、頑固な尿石にはブラシでこする必要があります。
一般的な掃除方法
尿石用の洗剤を使った、一般的なトイレの掃除方法は次の通りです。
1:マスクやゴム手袋、ゴーグルを装着しドアを開けておきます
2:便器の水気がなくなるように乾いた布で拭きます
3:尿石のある個所に洗剤を少しずつふりかけます
4:便器のフチの裏側は洗剤が垂れてしまうので、トイレットペーパーでカバーします
5:洗剤に記載されているとおりの時間、そのままにします
6:水で洗い流します
1回では落ちなかった尿石があっても、何回か専用の洗剤で掃除すれば徐々に落ちていきます。
まとめ
便器に尿石がこびり付いて黄ばむのは、トイレに行くたびに不快になりますよね。まして、お客さんが来たときにトイレを使われたら・・そんな嫌な思いをしなくても済むように、トイレ掃除は小まめに行っておきましょう。
新品当時はツルツルだった便器も、年月が経てば表面にザラつきが表れて尿が溜まりやすくなります。年季の入った便器ほど尿石が付きやすくなりますから、しっかり掃除することが大切になります。
トイレでアンモニア臭がしてきたら、尿石が発生する合図だと覚えておきましょう。