水のコラム
使った油を排水口に流すと排水口がつまる?具体的な対処法も解説
使った油を排水口に流し続けて、排水口をつまらせた経験はありませんか?家族が多い人やなるべく自炊を心がけている人は、自宅で油を使用する頻度も多いですが、使用した油の処理に困ってしまうケースがあります。
正しい方法で油を処理しないと、つまりなどの原因になります。では、排水口をつまらせないための油の処理方法にはどんなものがあるでしょうか?
今回は、使った油を排水口に流してつまらせてしまった際の具体的な対処法について解説します。
油を排水口に流すとつまりやすくなる
料理の際によくあるケースとして、使った油を排水口にそのまま流してしまうことがあります。とくに、炒め物や揚げ物を多くする人は、使用する油の量も多く、大量の油を消費します。
しかし、油を流すことで発生する排水管のつまりは、自力で解消するのは難しいため注意が必要です。
では、キッチンで使った油を流すことで発生するトラブルにはどのような事例があるのでしょうか?
ここでは、キッチンの排水口に使った油を流さない方がいい理由について解説します。
つまりや悪臭の原因になる
油の特徴の一つに、冷えると固まるという性質があります。料理で使った油を排水口に流す際、流す時には冷えていなくても、排水管の中で冷えて固まってしまいます。
この油が排水管の中に溜まってしまうと、悪臭を発生させ、つまりを起こします。
つまりを引き起こすことで水が流れにくくなり、シンクの中に溜まりやすくなります。排水管の中だけではなく、シンク上に影響を与えてしまうので、使用した油を流すのは控えましょう。
水漏れの原因になる
また、料理して使い終わって間もない高温の油を排水口に流すことで、水漏れの発生の原因になります。高温に熱した油が排水口を流れることで、シンク下の排水管が劣化して破れてしまう恐れもあるのです。
排水管は、塩化ビニール製でできているものが多く、高温の油によって簡単に劣化してしまいます。
また、マンションや集合住宅で水漏れが起こると、ほかの部屋でも水漏れが発生する恐れがあります。排水管が床下を伝って、ほかの部屋と連結している構造であることがほとんどなので注意が必要です。
油で水漏れを起こすことでトラブルに発展した場合、損害に対する責任が発生してしまうので、マンションや集合住宅の場合はとくに気をつけましょう。
適切な油の処理方法
使った油をそのまま排水口に流すと、排水管や周囲に影響を与えてしまうので、適切な油の処理方法を理解した上で使用することが大切です。
しかし、正しい油の処理方法を知らない人も多いのではないでしょうか?使った油を処理する方法はいくつかあるので、まず自分で試せそうな方法を選び実践してみましょう。
ここでは、使った油の適切な処理方法について解説します。
ビニール袋に入れて処理する
コンビニやスーパーでもらえるビニール袋に入れることで、使った油を処理できます。
そのまま入れると穴が空いたり、ビニール袋が脆くなってしまうので、ビニール袋に新聞紙やキッチンペーパーを入れてから、ある程度冷やした使用済み油を入れます。
万が一の発火を防ぐために、新聞紙やキッチンペーパーに水を染み込ませておくと安心です。
また、ビニール袋にわずかな穴が空いていても、そこから油が漏れ出てしまうので、使用する前に確認するか、2重にビニール袋を重ねて処理するようにしましょう。
処理する時期にも注意が必要です。
ビニール袋に入れた油は、ごみを回収する日までごみ箱に溜めておくことになりますが、夏場や暑い日の場合、気温の上昇によって発火してしまう危険性があります。長時間の放置は避けて、なるべく素早く捨てるように心がけましょう。
キッチンペーパーや新聞紙で拭いて処理する
炒め物など、使用した油が少ない際には、キッチンペーパーや新聞紙で手軽に油を拭き取ることができます。
処理する際には、必ず油が冷めている状態で行いましょう。また、やけどが気になる場合は、ゴム手袋などで手や腕を保護して作業しましょう。
牛乳パックに入れて処理する
揚げ物などで使用した油が多い場合には、牛乳パックを使用した処理が便利です。牛乳パックの中に、水で湿らせた新聞紙やキッチンペーパーを入れて、冷ました油を注ぎ込むことで処理できます。
油を入れた後は、しっかりと封をしてこぼれないようにしましょう。
市販の凝固剤を使って処理する
使用した油を固める凝固剤を使うのもおすすめです。
ホームセンターやドラッグストアで手に入るので、手軽に活用できます。比較的油が熱い状態でも使用できるのが特徴で、凝固剤を油に投入してから、1時間程待つだけで処理できます。
ロウソクのロウのように固まるので、剥がしやすく、ごみとしても処理しやすい状態になります。もし、冷えてしまってフライパンなどから取れない場合は、少しだけ加熱してやわらかくしましょう。再加熱する際には、火の元から目を離さないように気をつけましょう。
小麦粉や片栗粉を使って処理する
凝固剤がない場合は、代わりに小麦粉や片栗粉を活用できます。
ただし、使用した油と同等かそれ以上の分量が必要なので、油の量が多い場合は気をつけましょう。油が固まりきる前に、小麦粉か片栗粉を加え、混ぜ合わせてからビニール袋などに入れて処理しましょう。
小麦粉や片栗粉は、凝固剤を使った時ほど固まらないので、ビニール袋に入れる際には、注意が必要です。また、小麦粉や片栗粉は消費期限に関係なく使用できるので、消費期限が迫っているものがあれば、そちらを優先的に活用しましょう。
このようにさまざまな処理方法がありますが、自治体によっては、燃えるごみだけではなく資源ごみとしても処分ができます。自治体によって、処理方法に指定があったり、回収場所が決められている場合があるので、事前に確認しておきましょう。
台所の排水口がつまった時の対処方法
誤って油を流してしまい、台所で排水口がつまってしまった場合はどうすればよいのでしょうか?油は時間が経つほど掃除しにくくなってしまうので、適切な対処法で素早く対処することが重要です。
手軽でどの家庭でも始められる方法として、お湯とタオルを使用した方法があります。キッチンの排水口にタオルをつめて、60度程度に温めたお湯をシンクに張り、タオルを勢いよく引き抜くことで改善される場合があります。
また、ペットボトルでも対処可能です。水をシンクに溜めた状態でペットボトルの口を排水口に合わせ、ペットボトルを潰して戻す作業を繰り返すことで改善されることがあります。1度では解消できないので、根気よく何回か繰り返しましょう。
古い油を再利用する方法
油によって変色していなかったり、汚れていない場合は再利用できます。油を捨てる場合は、ひと手間加えて処理しなければならないため、数回続けて使用できれば便利ですよね。
油を再利用する際には、まず浮いている汚れを取り除いておきます。その後に、オイルポットなどの保存容器に入れたら、冷蔵庫やシンク下などの冷える場所にて保存します。
再利用を考えている際に、鍋に入れたまま放置していると酸化を起こして使用できなくなってしまうため、調理後すぐに容器を移し替えるようにしましょう。
まとめ
この記事では、使った油を排水口に流すことで起こる症状や具体的な対処法について解説しました。
炒め物などに使用した少量の油であっても、そのまま流すことによって、排水管の中に蓄積されてつまりや悪臭の原因になります。そのため、適切な油の処理方法を理解しておきましょう。自宅にあるもので簡単にできる対処法もあるので、できることから始めることが大切です。
油によるつまりが悪化してしまうと、修理にかかる費用も上がってしまいます。日頃の油の取り扱いには充分注意し、安全に処理できるように心がけましょう。