水のコラム

トイレのオーバーフロー管が壊れたときの交換費用を解説

2022年11月29日  トイレのトラブル

トイレにはオーバーフロー管と呼ばれる管が取り付けられています。掃除などのお手入れの際に誤って壊してしまうことも少なくないため、壊れてしまった時の対処法などを事前に把握しておくと安心です。

この記事では、オーバーフロー管の故障による交換費用について解説します。トイレのトラブルを冷静に対処できるよう本記事の情報を参考資料の1つとしてお役立てください。

トイレのオーバーフロー管とは

オーバーフロー管は、トイレタンクの水があふれないために管理するための管です。管の先端部分には「WL(WaterLineの略)」と記載があり、水位の異常をひと目で確認できる仕組みです。

標準水位の記載がない場合は、管の先端から2~3cmほど下の部分が適切とされています。

役割
オーバーフロー管の役割は以下の手順から確認できます。

1. レバーを引く
2. 鎖でつながった「フロートバルブ」が持ち上げられる
3. タンク内の水がトイレの便器へと流れ出る
4. レバーが元の位置に戻る
5. フロートバルブが排水口を塞ぐ
6. 便器への排水が止まる
7. タンク内の水位が上がる
8. 水道管とつながった「ボールタップ」に取り付けられた「浮き玉」が沈む
9. 「浮き玉」の重みによってボールタップのフタが開く
10. タンクに新しい水が溜まる
11. タンク内に給水された水の上昇に合わせて浮き玉が本来の場所へ上昇する
12. ボールタップのフタが閉まる
13. 給水が止まる

タンク内の各部品が正常であればオーバーフロー管はとくに作動しません。ただし、ボールタップや浮き玉に異常がある場合は、給水・排水がうまく行われないため、オーバーフロー管が作動します。

管の先端を超える給水が行われると、タンクから水が漏れます。トイレのトラブルを目視からでもできるよう、オーバーフロー管が取り付けられているのです。

「サイフォン管」はオーバーフロー管の別名
オーバーフロー管と「サイフォン管」。こちらはいずれも同じものを指します。呼び方以外に大きな違いはなく、水道業者や取り扱うお店によって異なる場合があるため、どちらも覚えておくとよいでしょう。

材質
材質はプラスチック(樹脂製)が一般的です。耐久性が高いとはいえず、衝撃によっては簡単に折れたり劣化しやすかったりといった特徴があります。掃除の際は取り扱いに注意しましょう。

トイレのオーバーフロー管が壊れる理由

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オーバーフロー管が壊れる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは考えられる4つの理由について解説します。

 経年劣化
 トイレタンク内の清掃時
 節水用のペットボトル
 部品交換時

経年劣化
樹脂製のプラスチックでできたタイプは衝撃に弱いため、取り扱いには細心の注意が必要です。たとえば長期間同じ部品を使い続けていると、経年劣化によって破損することがあります。長くても15年~20年が使用年数といわれていることから、劣化する前に交換するのが望ましいといえるでしょう。

トイレタンク内の清掃時
トイレタンク内はきれいな水が給水されているとしても、ホコリや細かいゴミなどがトイレタンクに入り込み、汚れが付着することも少なくありません。材質上、丁寧に取り扱っていたつもりでも、劣化しかけていたオーバーフロー管であれば簡単な衝撃によって折れたり破損したりする場合があります。

トイレタンク内を掃除する際は、オーバーフロー管に手が触れないよう注意しながら行いましょう。

節水用のペットボトル
トイレタンク内に節水用のペットボトルを入れるご家庭もあるでしょう。節水目的でペットボトルを入れていると、排水・給水によって水位が変動した際に、ペットボトルの動きによって折れてしまうことがあります。

ペットボトルを用いた節水では、オーバーフロー管に衝撃が当たらないような工夫を取り入れましょう。

部品交換時
トイレタンク内の部品交換を行う際に、オーバーフロー管に衝撃が加わる場合もあります。たとえばフロートバルブや浮き玉の交換をする際にオーバーフロー管に手が引っかかった場合、すぐに折れてしまいます。

オーバーフロー管に触れずに交換するのは不可能と判断した場合は、最寄りの水道業者に相談すると安心です。

トイレのオーバーフロー管が壊れたらどうなる?

オーバーフロー管が壊れてしまうと、レバーを引いていない状態でも水が便器内に流れます。水漏れのような症状であることから、オーバーフロー管の破損だと気付きにくいのが難点です。

そのまま放置していれば、便器外に水漏れを引き起こしたり、床下浸水につながったり、さらには二次トラブルとして床下を修理するための工事が必要になったりする場合もあります。便器内に水がいつまでも給水されるようであれば、最初にオーバーフロー管に異常がないかを確認してください。

トイレのオーバーフロー管を交換する場合の費用相場

オーバーフロー管に劣化や故障が見られた場合は、すみやかに交換する必要があります。ここではオーバーフロー管の交換における費用相場についてご紹介します。トイレは毎日使う場所であり、なくてはならない空間です。具体的な費用相場を把握し、これからの生活に知識を蓄えておきましょう。

自分で交換する場合は5,000円~8,000円
オーバーフロー管を自分で交換する場合の費用相場は5,000円~8,000円です。交換に必要な部品は新しいオーバーフロー管だけなので、費用相場もオーバーフロー管代のみで済みます。

交換時はモンキーレンチ・ウォーターポンププライヤーなどが必要になりますから、自宅にある場合はあらかじめ用意したうえで修理しましょう。

水道業者に依頼する場合は15,000円~25,000円
オーバーフロー管の交換を水道業者に依頼する場合の費用相場は、約15,000円~25,000円といわれています。自分で修理するよりも3倍ほど高額になる理由は、水道業者によっては諸費用がかかるためです。水道業者に修理を依頼した場合の具体的な修理費用は以下の通りです。

● 出張費:4,400円~
● 部品代:5,000円~
● 工賃:10,000円~
● 雑費:0円~5,000円ほど

水道業者によって諸費用が異なりますから、明確な金額をあらかじめ把握しておきたい方は、最寄りにある複数の水道業者に確認するとよいでしょう。

トイレのオーバーフロー管が壊れたときの対処法

オーバーフロー管が壊れてしまった場合、どのような対処法を取り入れるべきなのでしょうか。ここでは冷静に対処できるよう2つの対処法について解説します。

 止水栓を閉じる
 止水栓がわからない場合は「元栓」を閉じる

水があふれてしまうとパニックに陥り、冷静に判断対応できなくなる場合があります。万が一の場合でも落ち着いて対応できるようしっかり押さえておきましょう。

止水栓を閉じる
トイレタンクや便器から水があふれる場合は、速やかに止水栓を閉じましょう。トイレの止水栓はトイレタンクの横に取り付けられています。ただし、温水洗浄便座の場合、水を流すための「分岐器具」と間違うことがありますから、どこにつながっているかを必ず確認したうえで閉めましょう。

止水栓がわからない場合は「元栓」を閉じる
止水栓がどこに取り付けられているか判断できない場合は、水道の元栓を閉めましょう。戸建ての倍は水道メーター付近に、集合住宅の場合はメーターボックス付近に取り付けられています。

それでも場所がわからない場合は家族や大家に確認するとよいでしょう。

まとめ

オーバーフロー管とはトイレの給排水に欠かせない部品の1つであり、その材質上、壊れやすく劣化しやすいといった特徴があります。しかし、トイレタンク内の掃除や定期的なメンテナンスは欠かせないものであり、こまめに行うのが望ましいと考えられます。

トイレタンク内のお手入れを行う際は、壊れやすい部品が多く取り付けられていることを改めて認識し、細心の注意を払いながら行うのが望ましいといえるでしょう。

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あいち水道職人(愛知水道職人) 0120-492-315

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