水のコラム
ワイヤーブラシは排水管つまり解消に有効?
排水管が詰まったとき、ある程度まで症状を改善できるワイヤーブラシ。とはいえ万能ではなく、症状の度合いによっては期待したほど効果が上がらないこともあります。ワイヤーブラシがトラブル解消にどれくらい有効か理解しておくと、過信しなくて済むでしょう。そこで今回は、ワイヤーブラシの基本的な使い方や注意点をご説明します。
ワイヤーブラシとは?
ワイヤーブラシとは、ワイヤーの先端にブラシやヘッドが装備された排水管清掃の道具です。家庭用ワイヤーブラシと業務用ワイヤーブラシに大別されます。
・家庭用ワイヤーブラシの種類
家庭用ワイヤーブラシは基本的に手動であり、ワイヤーの長さやワイヤーの収納方法、またハンドル部分の形によって種類が異なります。ワイヤーの長さは、1mほどから15m以上のものまで選択可能です。短いと排水管の奥まで届きませんが、長いとワイヤーの扱いが難しくなります。ブラシによってはワイヤーをくるくると収納できるタイプがあり、ハンドルを回しながら作業してもワイヤーがよじれる面倒がありません。ハンドルの形は、道具の操作性を左右する可能性があります。自宅に常備するときは、自分にとって使い勝手がよいか確認してから購入するとよいでしょう。
・業務用ワイヤーブラシの特徴
業務用ワイヤーブラシは、通常、電動タイプです。基本的な仕組みは家庭用と大きく変わりませんが見た目はかなり異なり、ワイヤーの硬度が高いうえ道具が発揮する威力も段違いに大きくなります。家庭用よりワイヤーのつくりが強いため、数十mの長さに及んでも作業に支障が出ません。操作性にも優れており、実際の清掃作業では家庭用とは比較にならないほどの大きな効果をもたらします。家庭用では手に負えない排水管の奥深くまで、幅広く対応できるのです。「トーラー」「ワイヤートーラー」の呼び名もあり、家庭用とはまったくの別物という声も少なくありません。
ワイヤーブラシを使った排水管清掃の手順
ワイヤーブラシによる排水管清掃は、大まかには養生→ワイヤー組み立て→排水口挿入→回転進入という手順です。
・まずは養生
何も下準備しないまま排水管清掃をはじめると、周辺に水や汚れが飛び散ります。作業をはじめる前に、まず養生してください。養生には、ビニールシート、古雑巾、ボロ布、新聞紙を使えば十分です。排水口付近や床だけでなく、周りの壁まで全体的にしっかりカバーしておきましょう。
・ワイヤーの組み立て方
ワイヤーの組み立て方は商品によって違い、一律ではありません。添付の説明書を読みながら、正しく組み立ててください。一例を示すと、ネジを緩めてワイヤーをグリップに取り付けるタイプがあります。ワイヤーを装着後、ネジを締めればワイヤーは固定され、再び緩めるとスルスル動かせます。
・ネジを緩めて排水口挿入
ワイヤーブラシをセッティングしたら、作業開始です。あらかじめネジを緩めておき、ゆっくりワイヤーを排水口へと挿入していきます。ワイヤーはグリップに固定されていないので、慌てると排水管のなかにすべて落としてしまうかもしれません。作業は、焦らずに進めていきましょう。
・異物にぶつかったら回転進入
ワイヤーが進まなくなったら、排水管つまりの原因にぶつかったと考えられます。ネジを締めて、グリップの操作によりワイヤーを回転させながら奥へと進みます。何回かグリップを回したらワイヤーを引き抜き、先端に付着した汚れを除去しましょう。これを繰り返し、水がきちんと流れるようになれば作業完了です。
ワイヤーブラシで改善されない場合は業者に依頼する
ワイヤーブラシを使っても、排水管つまりを完全に解決するのは簡単ではありません。基本的には応急処置のひとつと考え、本格的な修理は業者にお願いしましょう。
・ワイヤーブラシの難しさ
一般の人の多くは、ワイヤーブラシの取り扱いに慣れているわけではありません。高性能の業務用ワイヤーブラシを準備しても、きちんと使いこなすのは大変です。専門業者のように手馴れていなければ、清掃作業にはとても苦労するといわれています。同時に排水管の構造は、本来、ワイヤーブラシによる清掃を想定していません。どれほど長いワイヤーでも詰まっている場所にうまく届くとは限らず、汚れを落とせない可能性は十分にあります。どれほど時間をかけても大きな効果を得られる保証はないため、「ワイヤーブラシでつまり症状を完全に解消するのは難しい」とも指摘されています。
・ワイヤーブラシで「効果なし」なら業者に連絡
ワイヤーブラシでも汚れをなかなか取り除けないとき、無理する必要はありません。きれいに清掃したいと考える場合、業者に依頼するのが確実です。豊富な専門知識と実績をもっている業者であれば、排水管の奥深くでつまり症状が起きていてもトラブルの原因や発生場所をきちんと確認してくれます。多くの経験を積んだスタッフは、手際よく作業して速やかに問題を解決するでしょう。ただし、排水管の清掃作業を依頼する際には複数の業者を比較検討し、あらかじめ見積書も用意してもらうことが大切です。
ワイヤーブラシは有効なときもありますが、過信は禁物です。まったく水が流れない深刻な状況には、あまり向いていないとの声も少なからず聞かれます。ワイヤーブラシで排水管を清掃しても効果が思わしくないときは、信頼できる業者に修理をお願いするようにしましょう。