水のコラム

水道管が破裂してしまう原因は?破裂した場合の対策や破裂防止の方法についても紹介

2021年05月10日  水のトラブル【豆知識】

水道のトラブルの一つに、水道管の破裂があります。
水道管の破裂は放っておくと建物に甚大な被害を引き起こす可能性があるため、早急に対応する必要があります。
簡単な応急処置をして、設備会社に連絡をしましょう。
今回は水道管の破裂について、原因や対処法、防止する方法などについて紹介します。

水道管が破裂する原因とは

水道管の破裂は、何の前触れもなく突然起こることがあります。
水は私たちの大切なライフラインですので、生活に大きな支障を起こしかねません。
その場合でも、水道管破裂の原因についてあらかじめ知っておくことで、万が一の場合でも速やかに対処できるようになるでしょう。

・水道管の凍結

水道管の凍結は、12月~3月にかけてよくある水道管破裂の原因です。
水道管の内部の水が氷になると、体積が膨張します。
膨張した氷が内部から水道管を圧迫して水道管に亀裂を作り、そこに水が流れ込むことで破裂につながります。

寒い地方や標高の高い場所に住んでいる場合には、冬は特に水道管の凍結防止に気を配らなければなりません。
一般的には、氷点下4℃を下回ると水道管が凍結の可能性があるとされているので、冬の間は温度計を設置して外気温に注意する必要があります。
屋外の北側に設置された水道管は特に凍結しやすいので、天気予報に注意して水道管破裂の対策をしておきましょう。

・水道管の劣化

水道管が敷設されてから年数が経つと、水道管はどうしても劣化してしまいます。
一般的な水道管の場合、10年~15年あたりから経年劣化が始まるとされています。
ただし、使われている状況や敷設環境により、耐用年数はかなり違いが出るので注意が必要です。

また、水道管に使われている材質によっても耐用年数が変わってきます。
主な水道管の材質は以下の3つです。

<亜鉛メッキ鋼管>
亜鉛メッキ鋼管は、安価で加工がしやすいという理由から昭和40年くらいまで主流でした。
しかし、亜鉛メッキが剥離して起こるサビの発生によって腐食しやすいという欠点があり、現在では健康面の理由からも使用禁止素材となっています。
ただし、古い家屋では現在もまだ使われている可能性もあります。

<硬質塩化ビニルライニング鋼管>
亜鉛メッキ鋼管の内側をビニール樹脂でコーティングすることで、亜鉛メッキ鋼管の弱点であるサビや腐食を防止することができます。
ただし、継ぎ目やコーティングの剥離などが問題となりやすいため、定期的なメンテナンスが必要になってしまいます。

<ステンレス管・樹脂管>
ステンレスや樹脂を使った水道管はサビや腐食に強いため、現在では徐々に普及してきています。
平成元年以降、継ぎ目に新たな部品が開発されたことで、耐用年数も30年近くまで伸びたため、劣化による水道管破裂のリスクを減らすことが出来るようになりました。

・地震

地震による激しい揺れで水道管への負荷がかかることはもちろん、震源地から遠く離れていた場所でも液状化現象などが起こってしまうと、土中にある水道管にも大きな負荷がかかります。
そのため地震は、ヒビや断裂といった水道管破裂の原因につながる要因となります。
特に劣化が進んだ水道管は、地震が引き金になって水道管が破裂しやすくなっているため注意が必要です。

地震による水道管の破裂は広範囲に影響してしまうため、どうしても大掛かりな復旧作業になってしまいます。
東日本大震災の例をあげると、水道の復旧まで半年近くかかったケースもあるそうです。
地震の衝撃によって地中に埋設された水道管が破裂したとしても、実際の目で確かめることはできません。

地震が起こった場合は、揺れがおさまって安全を確認した後に、水道の元栓を止めて水道メーターのパイロットをチェックしましょう。
水を使っていない時にパイロットが動いている場合は、水道管破裂の可能性が高いと言えます。

水道管が破裂するとどうなる?

水道管は、供給路の役割を果たす設備です。
水道管が破裂すると、水が使えなくなるばかりでなくさまざまな被害が生じます。
特に集合住宅に住んでいる場合には、自分の居住スペースだけでなく、階下の住民への被害や建物自体への被害が発生してしまう可能性もあるため、迅速な対処が必要になります。

水道管が破裂すると、お風呂・トイレ・キッチンなどの水回り設備のある場所から被害が拡大する恐れがあります。
特に、トイレでは汚物が逆流して床を汚してしまう危険性もあるので、早めの対処法が必要になります。
水漏れがひどくなり家財にまで影響を及ぼしてしまうと、補修費用が膨大になってしまう可能性もあるので迅速な対処が必要です。

・屋外からの水漏れ

屋外の水漏れは気が付きにくいため、水道料金の請求を見てはじめて漏水に気が付いたというケースも珍しくありません。
駐車スペースや庭の芝生の一部がいつもジメジメと濡れている感じの場合には、水道管の亀裂から水が染み出ているかもしれません。
一戸建ての場合、敷地内での水道管破裂の修理費用は自己負担となりますが、水道料金の減額や免除が適用されるケースもあります。
敷地外の公道などの水道管からの水漏れの場合では、各自治体の負担になります。

・床や家財の腐食

屋内で大量の水が漏れてしまった場合、床や柱など建物自体に甚大な被害をもたらす可能性があります。
また、マンションなどの集合住宅に住んでいる場合、階下の住居への被害も考えられます。
家具や電化製品などに被害が及べば、弁償額も高額になる可能性があります。
大きなトラブルに発展するのを回避するためにも、迅速な対応をしなくてはなりません。

水道管が破裂したらどうすればいい?


・止水栓を止める
水道管の破裂によって水漏れが起こった場合、まわりへの被害を最小限に食い止めるため止水栓を閉める必要があります。
破裂した水道管を修理・復旧させるためには時間がかかるため、まずは水を止めることが大切です。

止水栓は、緊急時以外あまり触れることがない場所です。
水の止め方もハンドル式、ドライバー式、内ネジ式などさまざまなタイプがあります。
いざというとき、すぐに行動が起こせるように止水栓の取扱い方法や場所を確認しておくことが大切です。

・応急処置をする

止水栓を閉めた後は応急処置をしましょう。
家財への二次被害を防ぐためにも、できる限り水を拭き取ります。
また、破裂箇所が手の届くような場所にある場合は、タオルやテープなどを巻き付けておくことで、二次被害を防げます。

・設備会社に連絡する

応急処置ができたら、破裂した水道管の修理を水道業者へ依頼します。
戸建て住宅の場合なら、家を建てた建築会社や販売会社にも連絡をしてみましょう。
住宅の図面などが残っていれば、水道管の配置が分かるため作業もスムーズになります。

その際には、担当した水道業者を教えてもらい連絡するというのも一つの方法です。

マンションの場合には、管理会社や管理人、管理組合に連絡をします。
連絡先がわからない場合には、各自治体の水道局に直接電話をしてみましょう。
指定業者の紹介や、対応の仕方もアドバイスしてもらえます。

・漏水を調査する方法

屋外の水道管が破裂したときには、漏水に気付けないケースがあります。
急に水道料金が高くなったなと感じたら漏水の可能性があるので、まずは自分で漏水調査をしてみましょう。
調査をするためには、まず水道メーターがどこにあるのかを確認することが必要です。

一戸建て住宅の場合には、水道メーターはメーターボックスの中に設置されています。
敷地内に入ったすぐ脇に設置されることが多く、「量水器」あるいは「水道メーター」と刻印されたフタがあるので、そのフタを開ければ、中にメーター機器が入っているのが確認できます。
集合住宅の場合には、玄関ドアの横に設置されているパイプスペースの中に水道メーターが設置されていることが一般的です。

メーターには「パイロット」と呼ばれる小さいプロペラが付いている箇所があり、このプロペラが動いていれば水が流れていることを示します。
また、最近ではパイロットではなく、デジタル表示の水道メーターも普及しはじめています。
漏水している場合には、警告表示となって知らせる仕組みのため、すぐに対処することが可能です。

<水道業者に水漏れ調査依頼する方法>

水道管の破裂が原因で水漏れしている場合でも、水漏れ箇所が特定できない場合もあります。
その場合には水道業者に調査を依頼しなければなりません。水道業者は、専門的な音聴調査、漏水探知機などを使って原因箇所を特定します。
漏水調査の費用は、一般的に1~2万円が相場です。
また、修繕費用については、修繕する前に見積もりを取っておくと安心です。

水道管を破裂させないためには?

水道管が凍結して破裂してしまわないようにするためには、対策がいくつかあります。

・蛇口の水を出し続ける


水道管の凍結防止として、最も簡単な対策方法となります。水道管の中を常に水が流れている状態にすることで、凍結防止になります。
水を出す量は鉛筆の太さくらいが適切な量です。
水がもったいないからと、ポタポタと水滴が落ちる程度では、かえって水道の蛇口付近が凍ってしまうため注意してください。

・水道管の水抜きをする

水道管の中に水が入っていなければ、どんなに気温が低くなっても凍ることはありません。
水回りにある給湯機やボイラーなどには、止水栓や水抜きが付属されています。
冬場は寝る前に水抜きをしておくことで、水道管の凍結を防ぐことができます。

・水道管を保護する

ホームセンターなどには、「保温テープ」や「断熱材」などの凍結防グッズが販売されています。
専用のグッズでなくとも、屋外の蛇口には要らなくなったタオルや毛布を巻き付けることで凍結防止効果が期待できます。

・水道管に水滴がつかないようにする

直接的な水道管凍結の予防策ではありませんが、水道の蛇口が凍って回らなくなるのを防止する対処法です。
夜寝るときに、蛇口の水滴を軽く拭いて乾かしておくことで、朝起きたときに蛇口が回らないといったトラブルを未然に防止することができます。
また、雨が降った日などは、屋外の水道の蛇口も水滴を拭いておくと安心です。

・ヒーターをつける

極寒の北海道や東北地方などでよく見かける装置として、水道管に巻き付けている電熱式のヒーターがあります。
ただし、水道管の材質を傷める危険性があるため、樹脂管などには使用できません。
ヒーターを取り付ける場合は、自宅の水道管の材質を確認するようにしましょう。
ヒーターを取り付ける際には、重ならないようにゆるく巻くことがコツです。
凍結の心配のある季節が過ぎたら、コンセントを忘れずに抜くようにしましょう。

・お風呂の水抜きをする

一般的な住宅では、お風呂の位置は北側のあまり日の当たらない場所に多い傾向があります。
そのためお風呂場の温度はかなり低くなり、水道管が凍結しやすくなります。

お風呂を使い終わったら、バスタブの水は必ず抜いておきましょう。
また、台所などと同じように蛇口から細く水を流しっぱなしにしておくと、凍結を防止することができます。

・トイレの水抜きをする

一日に何度も水を流すトイレは、水道管が凍結するという心配はほぼありません。
しかし、旅行などで数日間家を留守にする際には注意が必要です。
トイレの水道管が凍結してしまうと温水洗浄便座の場合、故障の原因となることもあるので注意が必要です。

タンク内の水を抜くには、トイレの止水栓を止めた後に水を流します。
しかし、下水から登ってくる嫌な臭いを封じ込める「封水」まで抜いてしまうと、悪臭が気になります。
その際にはトイレ用の「不凍液」を使うことで対策することが可能です。
不凍液はホームセンターで購入できます。

まとめ

水道管が破裂してしまう大きな原因は「凍結」「劣化」「地震」です。水道は重要なライフラインですので、水道管が破裂してしまった場合は速やかに対処し、水道業者に連絡をしましょう。
放っておくと、家財や建物への二次被害が発生する場合もあります。
もし水漏れが起こった場合は、速やかに対処するためにも、止水栓の使い方や水道メーターの場所を確認しておきましょう。

水道のトラブルなら水道局指定工事業者の弊社にご相談ください。
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