水のコラム

マンション・アパートの水漏れはどう対応する?一刻も早く対応しましょう

2021年10月02日  水漏れトラブル

マンションやアパートなど複数の世帯が1つの建物で暮らしている場合、トラブルが起こると影響を受けるのが他人であることも珍しくありません。
日頃から気を付けて暮らしていても、場合によって被害者はもちろん、加害者にもなる可能性があります。アパートやマンションでもし水漏れがあったら、できるだけ早く対処することが重要です。

今回はマンションやアパートの水漏れの対応についてご紹介いたします。

マンションやアパートで水漏れが起こる原因

マンションやアパートの水漏れには、大きく分けて2つの原因があります。それぞれのケースで考えられる具体的な水漏れの原因を見てみましょう。

・人が原因のケース

水漏れの原因としてまず考えられるのは、入居者の不注意や水回りの誤った使い方が原因となった配管のつまりなどです。トイレの場合は、大量のトイレットペーパーや排泄物、誤って落とした異物などで配管がつまってしまい、便器から汚水があふれてしまうケースが代表的な例です。

浴室や洗面台の場合は、髪の毛やゴミがつまって水の流れを妨げてしまい、水があふれることがあります。キッチンの場合は、大量の油や食材カスを流したことが原因の配管づまりがよくあるケースです。

また、室内に水をこぼしてしまったことが水漏れの原因になる場合もあります。浴室の床以外は防水加工が施されていないため、階下に影響が及ぶ可能性があるのです。掃除の際にバケツの水をこぼしてしまった、浴室にお湯を溜めすぎて脱衣所まであふれてしまった、洗濯機の排水ホースが緩んで水が漏れてしまったなど、さまざまなケースが考えられます。他にも、玄関掃除の際に水をたくさん使ったことで、階下に水漏れが発生したケースもあるようです。

また、室内だけでなく、外からの雨水が原因となる場合もあります。雨天時に窓を開けっ放しにしていた、ベランダの排水口が落ち葉で塞がれていたことで水が室内に浸入してきてしまったなど、ちょっとした不注意でも水漏れが発生してしまうため、注意が必要です。

・建物が原因のケース

水漏れの原因は、人的なものだけではありません。建物や設備の老朽化や故障が原因となる場合もあります。
たとえば、配管の劣化です。正しく使用しているにもかかわらず配管から水漏れがある場合は、経年劣化で穴やヒビ割れが発生している可能性があります。

また、ベランダの防水処理が劣化しているときも水漏れが発生します。シート防水の剥がれや膨らみがある場合は、管理会社に連絡しましょう。雑草が生えている場合はヒビが発生している可能性があるので、こちらの場合も相談してみてください。

外壁のヒビ割れも水漏れの原因です。雨漏りなど大きな被害がなくても、壁や天井のシミやカビなどが発生していれば、建物に水が浸入している可能性があるため、心当たりがある場合は一度確認してみましょう。

・水漏れの責任は誰になる?

水漏れが発生した場合は、基本的に原因を作った側が責任を負います。入居者の不注意で水漏れが起きた場合は入居者が、設備の劣化などが原因の場合は建物の所有者や管理会社が責任を取るという形です。

ただ、配管からの水漏れなどは責任の所在が難しいこともあります。配管が劣化した原因が入居者の流した油やゴミであれば、入居者が責任を取る必要があるでしょう。

マンションやアパートは、専有部分と共用部分に分かれています。責任の所在に悩んだ場合は、専有部分は入居者、共用部分は管理会社が責任を負うと考えましょう。たとえば、普段は入居者が使用しているベランダは共用部分なので、故意に壊していないのであれば水漏れは管理会社の責任です。

ちなみに、リフォーム後に水漏れが発生した場合は、配管の接続不備などが原因である可能性もあります。この場合は施工した業者の責任です。

マンションやアパートで水漏れに遭ったら

水漏れを起こしてしまった場合も、水漏れの被害に遭った場合も、適切な対処をしなければなりません。トラブルや被害を大きくしないために、以下の点に注意してなるべく早く対処しましょう。

・管理会社、または貸主に連絡する

「天井にシミができている」「雨漏りがある」など、被害があった場合は早急に連絡しましょう。また、自分自身が不注意で起こしてしまった水漏れも必ず連絡してください。原因がわからない場合も、まず連絡し指示を仰ぎましょう。

水漏れを起こしたまま放置しておくと、階下とトラブルになる可能性があるので、事前に連絡しておくのがおすすめです。
もちろん、まずは水漏れの原因を解消することを忘れないようにしましょう。水を止める、ホースや水道管の緩みを直す、水を拭き取るなど、自力でできる対処はすぐに行なってください。

・水道業者に連絡する

「お風呂の水を出しっぱなしにしていた」「洗濯機の排水ホースが緩んでいた」など、原因が明らかで自力での対処が可能なものであれば、簡単に解決できるでしょう。しかし、水漏れは原因不明のものも多く、仮に原因がわかったとしても配管などは自力で修理ができません。この場合は、専門家である水道業者に連絡し、検査や修理を依頼しましょう。

管理会社に連絡すれば、そちらから水道業者に連絡して対応してくれる場合もあります。ただ、夜間や休日などは管理会社に連絡がつかないことも考えられます。その場合は、被害が広がらないよう早急に対処するためにも、自分で水道業者に連絡しなければなりません。建物や設備の劣化が原因であれば、修理費用はあとから管理会社に請求できます。

・電気会社に連絡する

水漏れが発生した場所によっては、配線やコードに影響が及んでいる場合もあります。万が一に備えて、電気会社にも連絡しましょう。漏電が起きれば危険があるだけでなく、マンションやアパートの住人すべての生活に影響が及ぶ可能性もあります。

管理会社が対応してくれる場合もありますが、夜間などは難しいでしょう。水道業者と同じく、管理会社に連絡がつかない場合は自分で対処し、あとから連絡・費用請求をしてください。

・被害宅がある場合は謝罪に行く

階下などに被害が及んでいる場合は、早急に謝罪に行きましょう。できれば当日、遅くとも翌日には対応してください。修理が必要な場合は、今後の対応や工事日程も伝えておきましょう。

また、保険を利用するのであれば被害状況の確認が必要になります。補償を受けるために、被害宅へ訪問して状況確認をしたり写真の提示をお願いしたりするなど、被害者の協力が不可欠です。自分自身のためにも、誠意ある対応を心がけましょう。

・写真に撮影しておく

自分が被害者になった場合は、被害状況をあとから確認できるように写真や動画を撮っておくことが大切です。保険を利用する場合にも必要になります。

慌てて片付けたい気持ちもあるかもしれませんが、きれいにしたあとだと被害の証明が難しく、裁判などに発展した場合、状況証拠不足になる可能性もあります。さまざまなケースを想定して、慌てず適切な対応をとりましょう。

・加入している保険の確認

保険の種類によっては、水漏れによる被害が対象となる場合があります。被害規模が大きければそれだけ高額になるので、必ず保険を活用してください。

また、加害者になった場合も保険が使えます。被害規模によっては、保険に頼らないと高額な賠償金を負担しなければならないので、使える保険がないか必ず確認しましょう。マンション管理組合の保険なども併せて確認してください。

・家財の保護

天井などから水漏れが起きている場合は、家財を保護しましょう。保険に入っていなければ、買い替えや修理などで多大な費用がかかるので、できるだけ被害を大きくしないことが大切です。ただし、家財の保護は写真などで状況証拠は残したあとに行うことを忘れないようにしましょう。

状況証拠を残したあと、動かせるものは安全な場所へ移動し、動かすことが難しいものはシートなどをかぶせて保護してください。
家電を動かす場合は感電するリスクがあるため注意が必要です。安全のために、家のブレーカーを落としてからプラグを抜くようにしてください。

・上の階から水漏れがある場合

天井のシミや水漏れを発見した場合は、上階を訪ねてみてください。基本的には管理会社で対応してくれますが、時間帯や相手によっては管理会社が電話してもつながらないことがあります。

この場合は実際に訪問したほうが対応してくれる確率も高いでしょう。早めに対処しなければ被害が広がる可能性もあるためで、夜間であっても直接訪ねることをおすすめします。

対応してもらえたら、水漏れがあることを伝えて原因を探ってもらいましょう。お風呂の水が出しっぱなしになっている、窓を開けっ放しにしているなど、現在進行形で起きていることが原因であればすぐに解決できるはずです。確認してほしい箇所が説明できない場合は、管理会社の人に電話をして説明してもらうとよいでしょう。

上階で明らかな原因がない場合や原因がわからない場合、または上階の住人が不在の場合は、水道メーターを確認してください。水道を使っていないのにメーターが動いているのであれば、どこかで水が出しっぱなしになっている可能性があります。
また、「パイロット」と呼ばれる銀色のコマが回っている場合は漏水しているため、早急に対処しましょう。

マンションやアパートの水漏れで使える保険とは

水漏れの規模によっては、住居だけでなく家財などにも被害が及ぶ可能性があります。被害者であっても加害者であっても、被害額が大きければそれだけ負担も大きくなるでしょう。この場合は、保険の活用をおすすめします。

・火災保険

火災保険の中には「水濡れ」を補償するものがあります。これは、事故などで放水が起こり、水濡れが発生して損害が出たときに使える保険です。水漏れの被害者になったときに使えます。

保険が適用されるケースは大きく分けて2つあります。1つは給排水設備の事故です。水道管や排水管、給水ボイラーなどの設備の事故で水漏れが発生した場合に保険が適用されます。

もう1つは、自宅以外の戸室で起きた事故によるものです。上階の住人が起こした事故で水漏れが発生した場合が該当します。この保険の対象となるのはあくまでも事故です。そのため、水の出しっぱなしなど不注意による水漏れは対象外となってしまいます。給排水設備も、経年劣化による故障は補償の対象外となるので注意が必要です。

・個人賠償責任保険

「個人賠償責任保険」は、火災保険や自動車保険の特約として契約できる保険です。日常生活で起きた偶然の事故により、他人のものを壊してしまったりケガをさせてしまったりした場合に使えます。つまり、不注意などで水漏れを起こして階下に被害を与えてしまった場合にも保険が適用されるということです。

また、自分の家に水漏れの被害があり、上階の住人に賠償を求める場合にも個人賠償責任保険が適用される場合があります。ただし、補償を受けるには相手が個人賠償責任保険に入っている必要があります。

・施設賠償責任保険

建物や設備の不備が原因で水漏れが起きた場合は「施設賠償責任保険」が適用されます。この保険は「建物管理賠償責任保険」や「共用部分賠償責任保険」など、マンション・アパートによって名称はさまざまです。排水管の経年劣化、外壁やベランダのヒビや剥がれなどが原因で水漏れが生じた場合に適用されます。

ただし、全額補償されるとは限りません。この保険は損害賠償責任を補償する保険であり、原状回復が目的です。補償費用は現在の価値に対して支払われます。つまり、家具や家電に被害があった場合、購入したときの金額がそのまま戻ってくるわけではありません。

火災保険や個人賠償責任保険など他の保険が使えない場合は、買い替えや修理の際に費用負担が発生する可能性があることを覚えておきましょう。

まとめ

マンションやアパートは、1人で住んでいるわけではありません。室内で発生した水漏れが、他人の家に影響を及ぼす可能性もあります。

原因がわかれば早急に対処し、難しい場合は管理会社や水道業者に連絡して検査・修理を行いましょう。被害やトラブルを最小限にするためにも、一刻も早い対応が求められます。

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あいち水道職人(愛知水道職人) 0120-492-315

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